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【千葉】

ヨウ素、産学官連携で有効活用 千葉大に研究拠点

実験室には分析装置などが並ぶ=千葉市稲毛区の千葉大西千葉キャンパスで

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 県内で世界シェアの四分の一を産出するヨウ素の研究拠点「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター」が、千葉大西千葉キャンパス(千葉市稲毛区)にオープンした。産学官連携による“オールジャパン”体制で有効活用する方法を考え、次世代太陽電池など高付加価値を付けた製品の開発を目指す。

 センターは四階建てで、研究室や実験室、分析室のほか、ヨウ素を説明する展示コーナーがある。総事業費は建物や分析機器などを含めて八億五千万円で、文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業の補助金を充てた。

 ヨウ素は、消毒薬のヨードチンキやエックス線造影剤などの原料に使われ、幅広い用途がある天然資源。茂原市やいすみ市など県内で国内生産の四分の三を、地下にある水溶性ガス田からメタンガスと一緒にくみ上げている。だが大半を原料のまま輸出し、製品化されたものを輸入している。

 センターでは、国内でも有効活用し、付加価値を付けた製品作りに取り組む。エネルギー変換効率の高い次世代太陽電池やディスプレー向け有機薄膜といった素材、がんを診断できる薬剤の開発などを目標に産学で共同研究を進める。県は、県内で調達する際の産地との調整や、地場産業の育成を支援する。

 県内でヨウ素を産出する伊勢化学工業(東京)や合同資源(同)などライバルメーカーの研究者が常駐するほか、ヨウ素学会の本部がある千葉大からは有機化学に関わる教員らが参加するなど合わせて三十人ほどが入居する。ヨウ素に特化した産学官の連携組織は国内では珍しく、県内で調達から研究、製品開発までを一貫して行う。

 徳久剛史学長は「大学初の(組織の枠を超えて交流する)オープン・イノベーション施設で産学官連携の試金石になる。これまで教員は閉じこもって研究していたが、企業が入ることで付加価値がある製品を作ってほしい」と期待した。 (村上豊)

 

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