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【千葉】

いじめ 勇気出しSOS 田中中で公開授業

「自分ならどうするか」と選択を話し合う田中中の2年生=柏市で

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 柏市教育委員会は、いじめ防止が目的の映像教材「私たちの選択肢」の続編を、千葉大学、敬愛大学、IT企業のストップイットジャパンと共同開発し、今月から、市立中学校の2年生の授業で使い始めた。今回は、いじめを受けた場合、周りや市教委に、すぐ相談することを促す内容に仕上げた。(堀場達)

 四者は昨年、級友らがいじめに遭った場合、傍観せず、主体的に行動するよう呼び掛ける第一弾の教材をつくり、中学一年生の授業に導入。第二弾の今回は「SOSの出し方」をテーマに、約七分の動画作品にまとめた。

 主人公の男子生徒が名字のことでからかわれ、周囲の行動がエスカレートしていく。主人公は悩むが、仕事で忙しい親には打ち明けられない。相談機関にメールを送信するか、しないか。その選択を視聴者の生徒たちに問いかける内容だ。市立中学校などで撮影され、市内の生徒、教員らが登場人物を演じた。

 同市大室の田中中学校で十一日、この教材を使った公開授業があり、開発に取り組んだ千葉大教育学部の藤川大祐教授が、二年生たちを指導した。視聴した二十八人のうち十八人は「相談すれば楽になる」などと、メールを送信する方を選んだ。残り十人は「自分に負けたような気がする」「他人に相談しても解決しない」といった理由で送信しない方を選んだ。

 教材は、主人公が送信した場合、問題が解決の方向に向かい、未送信の場合、悩みが一層深刻化する、という二通りの結末を描く。

 小学生の時、いじめられた体験のある藤田唯生(ゆう)さん(13)は授業後の取材に、「先生に相談していじめがなくなったが、最初は自分がみじめに思え、相談を躊躇(ちゅうちょ)した。悩みがあったら、すぐに相談することを友人たちにも伝えたい」と打ち明けた。川口桃花さん(13)は「動画を見なかったら、悩みができたとき、一人で抱え込んだかもしれない」。

 同市では昨年から、いじめなどの悩み相談を送受信するスマートフォンアプリ「STOPit(ストップイット)」を市立中学校の全生徒が使用できるようにした。今年四月一日〜今月十日に九十件の相談が寄せられた。

 第二弾のテーマを「SOSの出し方」とした理由について、市教委児童生徒課の加藤定浩課長は「過去の調査で『だれに相談すればよいか』『だれにも相談しない』との回答もあり、迷っている生徒に相談するよう促したかった」と述べた。

 「私たちの選択肢」は、今秋をメドにLGBTをテーマにした第三弾を作成する。第三弾までの三編をDVDに収録し、ストップイットジャパン社が希望者への無償提供に乗り出すという。

 

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