東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

原爆の悲劇 柏から語り継ぐ 市民団体が6日に朗読劇

6日の本番に向け、台本の読み合わせをする出演者たち=柏市で

写真

 朗読劇を通して、被爆体験の継承に取り組んでいる市民団体「柏・麦わらぼうしの会」は八月六日、柏市名戸ケ谷の名戸ケ谷病院の別館四階大講堂で、今夏の公演「この子たちを忘れない2018−1945ヒロシマ・ナガサキ−」を開く。原爆投下時の広島と長崎で、人々が実際に見聞きした記録を基に台本を構成、被爆者たちの苦しみや悲しみ、爆心地周辺の惨状を表現し、平和の尊さと命の大切さを語り継いでいく。 (堀場達)

 麦わらぼうしの会は一九九五年、乳幼児を育てていた母親らが中心となって「原爆の体験を未来に伝えていこう」と活動を始めた。現在の会員は四十〜八十代の女性十八人。毎年夏に加え、年間十回ほど、市内の小学校で朗読劇を上演し続けている。

 劇の台本は、被爆者の体験談から練り上げる。被爆者の高齢化が進んでいるため、会員たちが直接、近辺に住む被爆者から聞き取ったり、寄稿してもらったりした記録冊子「つなぐ−私たちが聴いた原爆被爆者の証言−」も昨年まとめた。

 今夏の公演のテーマは「原爆の悲劇は、もう終わった事ですか?」。同会代表の正木容子さん(46)は「たった七十三年の時の流れでは、肉体的にも精神的にも原爆がもたらした苦しみをぬぐいきれないと訴えたい」と話す。一九四五年に広島に原爆が投下された日に、九人の出演者が、冊子に収録した証言を中心とした被爆者たちの体験談や思いを舞台で読み上げる。

 出演者のうち、唯一の男性でNPO法人・こどもすぺーす柏理事の所英明さん(62)は昨夏に引き続いて舞台に立つ。朗読するのは、兵士として出征中、長崎に投下された原爆で妻子を失った父親の体験だ。

 この父親の息子は生前、長崎で徴用工として働いた朝鮮半島出身の男性と交流していた。父親は戦後、この男性から生前の家族の様子を教えてもらう。父親と男性の会話には、原爆が国籍の別なく、幾多の人々に悲しみをもたらした事実が盛り込まれている。

 所さんは朗読劇に参加したことで「戦争が一つの家族にとどまらず、広くアジアの人々を苦しめた現実感が伝わってきた」と明かす。

 朗読劇は午後一〜二時、同三〜四時の二回上演。チケット代は中学生以上五百円、小学生無料。問い合わせは同会事務局=電070(1446)7592=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報