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【千葉】

<熱球譜>夢舞台 151球の熱投 中央学院3年・西村陸投手

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 九回裏2死。甲子園の舞台で151球の熱投を演じた右腕が4回目の打席に入った。2球目にバットを振り抜くと、相手遊撃手の前に打球が転がった。一塁へ全力疾走し、頭から滑り込むも、わずかに間に合わなかった。「甲子園のマウンドに立ててうれしかったが、悔しい」。ベンチに戻り、相馬幸樹監督(38)の顔に目を向けると、涙腺が抑えられなくなった。

 幼い頃から投手一筋だったが、高校ではプロ注目右腕の大谷拓海投手(三年)がエースとして君臨。春の甲子園では外野手として出場し、2点適時打を放つなど活躍したが「投手として出場したい」との思いは消えなかった。

 チームとして目前に迫った勝利を一球で打ち砕かれた悔しさを糧に、夏に向けた練習に打ち込んだ。大谷投手が五月下旬の練習試合で負傷後は「自分が投手陣を引っ張る」との思いを強くし、変化球の制球やけん制の間合いの取り方などを磨き上げた。西千葉大会は全6試合に登板。池田主将も「一番良い投手だった」とたたえた。

 背番号が一つ小さくなった「10」で臨んだ甲子園では先発登板。直球の球速は130キロ台半ばながら、持ち前の制球力でコーナーを丁寧につき、安打を許しても鋭いけん制球で走者をくぎ付けにした。

 ただ、相手の済美は夏の甲子園準優勝の経験がある強豪校。四回には重盗で得点を挙げるなど要所では徹底的に攻め込まれた。

 「100点の内容。相手の方が上だった。よくこれだけに抑えてくれた」と相馬監督がたたえた右腕は、「後輩には今度こそ甲子園初勝利を挙げてほしい」と夢を託して、高校野球の聖地を後にした。 (山口登史)

 

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