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【千葉】

<つなぐ 戦後73年>少女狙い米機の機銃掃射 元教職員の女性語る

寺で勉強した様子などを絵で見せながら戦時中の体験を話す石川和子さん(中)ら

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 元教職員の女性たちが長生郡市内の小中学校で、戦時中の生活を語る出前授業を2012年から続けている。学校が強制移転され、寺で勉強する様子を紹介する絵や、兵士の無事を祈って女性たちが縫った「千人針」を見せながら体験を語り、平和の大切さを訴えている。 (黒籔香織)

 出前授業を続けているのは、教員を退職した女性たちでつくる「ピーススタッフ長生」のメンバー十五人。このうち四人が戦争体験者で、年に十数件、小中学校に出向いている。

 メンバーの一人の茂原市六ツ野の石川和子さん(85)は、茂原の東郷小六年生だった一九四五年ごろ、牛乳を買いに行く途中に機銃掃射を受けた。九十九里浜から茂原海軍飛行場に向かって低空飛行していた米軍の戦闘機に狙われたという。竹やぶに転がるように逃げ込み、幸いけがはなかった。「牛乳を入れる空き瓶を抱えて、がたがたと震えた。戦争だから、子どもだろうが関係ない」

 石川さんはその一年ほど前、親戚を頼り東京から東郷小に転校した。東郷小は茂原海軍飛行場をつくるために強制移転され、寺で勉強した。親戚の敷地の小屋で母と二人で暮らし、七輪(しちりん)で煮炊きする生活だった。

出前授業で見せることもある兵士が身に着けた日章旗や千人針=いずれも茂原市で

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 ピーススタッフ長生のメンバーは出前授業に加え、毎年、現役の教職員が集う集会で体験を話し、出前授業の様子も伝えている。昨年には、長生郡市視聴覚教材センター(茂原市)の依頼を受け、メンバー四人が体験を語る映像をDVDにした。

 ピーススタッフ長生のリーダー石井宣子さん(75)は「授業を受けた子どもたちから、今住んでいる場所でも戦争の被害があったことや、命が尊いと分かったと聞くと、何回でも伝える必要性を感じる」と話す。

 日章旗や千人針、お守りなどを譲り受けることもあり、出前授業で活用している。石川さんは「平和は維持し続けないといけない。二度と戦争はしていけない。生きている限り体験を伝え続けたい」と話す。

 

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