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【千葉】

<探訪ちばの味>柏市の道の駅内「ヴィアッヂオ」のソフトクリーム 

手賀沼に面したテラスで(左から)ブルーベリー、イチゴ、カブのソフトクリーム3種を手にする森脇菜採さん、鹿間憲一さん=柏市で

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 柏市箕輪新田の道の駅しょうなんは、手賀沼にかかる橋のたもとに立地し、対岸に我孫子市を望む。道の駅のレストラン「ヴィアッヂオ」の名物が、周辺の地元農産物を生地に練り込んだオリジナルのソフトクリームだ。

 二〇一三年に商品化したイチゴを皮切りに、ブルーベリー、ナシ、カブ、ハチミツとジンジャー(ショウガ)など、これまでに八種類を販売してきた。原料の果実と野菜は、柏市内の農家が提供している。ハチミツは千葉大柏キャンパスで、園芸学部の教授らが採集した品を活用する。

 パクチーと甘酒という変わり種も。ソフトクリーム誕生を仕掛けた森脇菜採(なつみ)さん(43)は「我孫子市に老舗の麹(こうじ)店があって、甘酒はそこで扱っているんです」と笑う。甘酒は米麹を使った農産加工品というくくりで、森脇さんたちの試みに当てはまる。

 柏周辺の農産物の可能性を広げ、魅力をさらにアピールすることが、ソフトクリーム販売の目的。森脇さん自身、以前は都内に住み、フードコーディネーターの仕事をしていたが、たまたま遊びに来て、柏にひかれ、移住してしまったのだという。「都心から三十キロ圏内で自然に囲まれ、農産物が新鮮」

 移住後、関心を抱いた地元農業について、生産者たちと交流しながら学んだ。森脇さんは「柏の農業は魅力的なのに生産者と消費者がうまくつながっておらず、もったいない」と感じた。「仕事柄、飲食店の知り合いが多い。これを生かして“つなぐ”活動に取り組むことにした」

 原料として主に使う農産物は、食べるのに問題ないが、傷がついたり、形がふぞろいだったりで、商品価値が著しく落ちた「規格外品」。農産物のピューレやフレーバーをまず森脇さんのレシピで試作。ヴィアッヂオのシェフで運営会社社長の鹿間憲一さん(49)や生産者らが試食し、改良を重ねてソフトクリームの商品化にこぎつける。

 ピューレやフレーバーは「生産者自身が加工する」点が特徴だ。加工による付加価値向上で、生産意欲を高めてもらうねらいがあるという。

 店頭で扱ってきたソフトクリームのうち、原料の配合割合など、おいしくする工夫に最も苦労したのは、意外にも「ブルーベリーだった」と鹿間さんは明かす。「生のブルーベリーは酸味が少なく、香りもやわらかい。ソフトクリームにすると刺激が少なくなる」

 柏市内でブルーベリー農園を営む長妻光昭さん(41)は「色がきれいに出ても、味が薄くなってしまうなどバランスが難しい」と話す。「売れ残りによる廃棄を減らせた」ことが、大きなメリットと考えている。 (堀場達)

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<「ヴィアッヂオ」のソフトクリーム> 地元農家と連携したソフトクリームは、380円(バニラのみ300円)。イチゴと、柏産の野菜を代表するカブは年中販売で、ほかの種類はそれぞれの旬の時季に扱う。夏場の今はブルーベリーを味わえる。同店=電04(7192)3277。

 

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