東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 千葉 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【千葉】

<探訪ちばの味> 情熱市原ワンハートの「いちはら梨ベース」

今季初物のナシを農家(左)から受け取る「情熱市原ワンハート」のメンバーら=市原市の加工施設で

写真

 七月下旬。企業組合「情熱市原ワンハート」(市原市辰巳台西)の農産物加工施設に、今季初めて収穫されたナシ約二十キロが運び込まれた。初物とはいえ、いずれも正規に出荷できない「規格外品」。甘くさわやかな口当たりで人気急上昇中のナシシロップ「いちはら梨ベース」の原料だ。

 「形や見た目で商品価値がないだけで、味は申し分ない」と話すのは、専務理事の大矢仁さん(56)。組合の主な活動は、旬のナシを使ったシロップづくり。ゼリーやジャムなどもつくってきた。九月までフル稼働し、昨季の約二倍となるナシ十八トンを加工する計画だ。

 二〇一五年四月、フェイスブックを通じて知り合った市内の有志で、組合の前身の任意団体を発足。本業は農家や生花店主、中華料理店主、保険の営業など多彩な顔ぶれ。現在、組合の代表理事を務めるすし店主の山下賢一さん(48)が一四年十二月、船橋市内の居酒屋でナシ入りの日本酒カクテルに出会い、「市原もナシで活性化させよう」と呼び掛けたのが発足のきっかけだった。

 昨年、野菜や果物をカットしたり、砕いたりしてピューレ化までを担う県内唯一の「一次加工」の施設を自前で整備。事業拡大に伴い、一月に法人格を取得し、農産物加工業の元社長を加えて六人で活動している。

 四年目を迎え、事業は軌道に乗りつつある。ナシは農家十数軒とJA市原市の選果場に協力してもらい、市価の約二割で買い取っている。農家には「捨てていたナシで、孫をディズニーランドに連れて行ける」と感謝された。「梨ベース」は居酒屋や飲食店に口コミなどで広まり、梨サワーや梨ハイボールとして現在六十店舗以上で提供されている。

写真

 今季の生産分から、家庭で使いやすいよう一リットルのパックを五百ミリリットルサイズに変更。八月十日から市内の道の駅「あずの里いちはら」やイトーヨーカドーアリオ市原店などで、一本八百円で販売を始めた。山下さんは「ヨーグルトや牛乳と交ぜて食べるのがお薦め」とPRする。

 来年には竹林の整備で出た竹を塩漬けメンマに加工し、市内ラーメン店で消費する取り組みが始まる。「思いだけで突っ走ってきた」と話すメンバーたち。大矢さんは「妄想からの暴走が続いています」とあっけらかんと笑った。 (美細津仁志)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報