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【千葉】

関東大震災直後の朝鮮人虐殺「負の歴史」忘れない 八千代市で証言集め企画展

朝鮮人虐殺の証言パネルや絵画などが展示されている企画展=八千代市で

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 「忘れてはいけない」。関東大震災(一九二三年九月一日)直後の混乱期、デマなどにより県内でも多くの朝鮮人が虐殺された。その「負の歴史」を伝えていくため、当時の関係者らから聞き取った証言などをパネル展示する企画展が七日、八千代市で始まった。虐殺や大震災の被害などを刻んだ石碑などを県内各地で調べた、東京成徳大の学生たちの展示も行われている。 (保母哲)

 「朝鮮人たちが後ろ手にしばられたまま泣き声ひとつたてず、いっせいに地面に伏し倒れる姿が私の目に飛び込んできました」。船橋市で起きた虐殺で、地元男性はこう話した。八千代市の女性は「ここの入会地でね。その連中(虐殺された朝鮮人)の埋めるところがなくて、そこへ埋めたのです」と聞き取り調査に答えた。

 大震災の被災者や朝鮮人が集められた、習志野収容所にいた元軍人は「朝鮮人みたいな顔をしているのはみんな、日本人でもやられちゃった(殺された)んじゃないですか」と、日本人も虐殺された可能性があると明かした。

 こうした証言を集めたのは、有志でつくる「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会」。一九七八年から、虐殺に関わった人への聞き取り調査や広報紙「いしぶみ」の発行、ミニ学習会などの活動を続けている。

 実行委の中心メンバーで、聞き取り調査を進めた平形千恵子さん(77)=船橋市=は「証言してくれた多くの人が、今は亡くなった。当時、何が起こったのかを知る手掛かりがどんどん少なくなっているのが残念」と話す。歴史を伝えようと開いた今回の企画展では、証言パネルのほか、虐殺が起きた場所を明示した地図、絵画、関連書籍などが展示された。

 東京成徳大の小薗崇明助教と「震災史研究プロジェクト」の学生たちは、県内各地の石碑などを調べ、船橋、八千代、館山、南房総、いすみ市などで計五十九カ所を確認。その一覧表や地図を出展した。

 企画展は十日まで、八千代市大和田三三四の四、おおわだシードで。京成大和田駅から北へ徒歩約七分。開場時間は八日午前十時〜午後五時、九日午後四時半〜六時、十日午前十時〜正午。問い合わせは、大竹さん=電080(5492)6904=へ。

 九日は同市高津の観音寺で午前十時半から学習会が開かれ、午後一時から慰霊祭が営まれる。

 

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