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【千葉】

<探訪ちばの味>みりんレシピ発信 流鉄流山駅に4月オープン「machimin」

手塚純子さん(左)とともに、みりんを使った新商品を開発した(左2人目から)手嶌育子さん、剣持紗代さん、鈴木史昭さん=いずれも流山市で

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 ちょっぴりくたびれた電車が窓の外で発着する。のんびりしたローカル線の風景に、駅の待合室を思い起こさせる「machimin(まちみん)」の建屋がマッチする。まちづくりを手掛ける株式会社「WaCreation(ワクリエイション)」が、流鉄流山駅に隣接する旧流鉄タクシーの車庫を改修、コミュニティー再生の場として今年四月にオープンさせた。

 駅周辺の古い町場の流山本町を「みりんで盛り上げ、街の歴史を伝えたい」。社長の手塚純子さん(35)は、みりんの甘みを生かし、砂糖や卵を使わない「みりんのマシュマロ」(三十個入り一箱五百円)、みりんと生クリームが原材料の「みりんキャラメルクリームパン」(二百円)を開発し、売り出した。同時に、みりんの普及に本気で取り組んでくれる仲間たちのスカウトに飛び回る。

 流山駅の隣の平和台駅前でカフェ「ひまつぶし」を営む剣持紗代さん(29)も仲間の一人。凍らせたガーベラやバラ、キンギョソウを浮かべた「みりんレモンソーダ」を考案した。涼やかな一品に「目で楽しんで、飲み方も楽しんで」と薦める。

コミュニティーが生まれる場にと願いを込めてオープンしたmachimin

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 会社員の手嶌育子さん(41)はベーグル好きが高じて「もっとオリジナリティーを」と研究を重ね、みりんにたどり着いた。「見た目はつややか、中はしっとり。袋を開けた時の香りがいい」と相性は上々だ。

 茨城県守谷市で居酒屋を経営する鈴木史昭さん(39)はまちみんに出張してきては、みりんシロップを使ったかき氷を提供している。

 手塚さんは、仲間たちが手掛けたこうしたメニューを、イベント時を除き、まちみんで提供する考えはないという。「小さな街の中だけでやっていても意味がない。それぞれ地元に戻って多様なみりんの魅力を広めてもらえれば」と、レシピの発信に徹する。

 育児休業中、手塚さんは「地域社会にとって本当に価値あることがしたい」と、高校生に向けて認知症の知識を広めるなどボランティア活動に飛び込んだ。流山に移り住んで五年、「白みりん」の歴史を知り、今年一月に会社を設立、本格的にみりんの売り込みに乗り出した。

みりんのマシュマロ(左)とみりんキャラメルクリームパン

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 七月中旬、フェイスブックの書き込みを見て、初めてまちみんを訪れた流山市の松本有希代さん(41)は「かき氷やソーダが出て、本当におばあちゃんちの縁側」と笑った。埼玉県から市内に引っ越して十三年。「すてきな場所ができた。友だちが遊びに来たら、ぜひ案内したい」。汗をぬぐいながら、かき氷を口にする長女の姫陽(ひよ)さん(11)から「甘いねー」と笑顔が漏れた。 (林容史)

<machimin> 流山市流山1−264。流鉄流山駅隣。営業時間は10〜16時。問い合わせはWaCreationのホームページ(https://wacreation.com/)から

<流山と白みりん> 江戸川の良質な水に恵まれた流山は江戸時代から酒造業が発展、1814(文化11)年に2代目堀切紋次郎が「万上味淋(まんじょうみりん)」、同じ頃に5代目秋元三左衛門が「天晴味淋(あっぱれみりん)」を開発した。それまでの色の濃い赤みりんに対し、改良を加え淡く澄んだ流山白みりんは江戸・京都・大阪で評判に。江戸の食文化の発展で、そばつゆ、ウナギの蒲焼(かばや)きのたれをはじめ煮物、焼き物、あえ物などの調味料として使われるようになった。戦後、一般家庭に普及し、欠かせない調味料の一つになった。

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