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【千葉】

富里「幻のぽっぽ」に光 市立図書館で「軽便鉄道」企画展

企画展に出品したジオラマなどを紹介する相沢直哉さん=いずれも富里市で

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 県内の市では唯一、鉄道が通っていない富里市に約百年前、レール幅の狭い軽便(けいべん)鉄道が走っていたことを紹介する企画展「富里にも鉄道があった〜幻のぽっぽ〜」が、市立図書館で開かれている。地元の鉄道愛好家グループ「軽便鉄道を考える会 in 富里」の研究成果が展示の中心で、県立図書館三館から取り寄せた二十冊余りの関連書籍もそろえた。 (小沢伸介)

 富里市は北側の成田市を走る京成本線とJR成田線、南側の八街市を走るJR総武本線に挟まれるように位置している。京成本線の線路は、富里市日吉倉から数十メートル先の成田市内を通っており、メンバーで潮音寺住職の立花雅幸さん(59)は「本当にギリギリ外れていて、悔しい思いをしているんです」と話す。

 だが、一九一四(大正三)年から四〇(昭和十五)年まで、当時の富里村を縦断する「軽便鉄道八街支線」が存在した歴史がある。幅六百ミリの日本一狭い軌道で、蒸気機関車に客車と貨物車を連結し、三里塚〜八街間の一三・八キロを一時間かけて走っていた。

 陸軍の鉄道連隊が大規模演習で敷設した線路の一部を組み込んだ県営鉄道で、本線は成田と多古を結び、後に八日市場まで延伸された多古線。八街支線は陸軍の飛行場建設予定地になり路線が廃止され、本線も終戦前にすべてなくなった。

かつて軽便鉄道の線路が一直線に通っていた生活道路と歩道

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 遊園地の乗り物のような列車で、「走り出しても乗れた」「上り坂では客が押すのを手伝った」などの証言もある。運賃の高さから乗客は少なかったが、富里駅舎があった両国地区は桜並木が美しく、花見の季節になると大勢の観光客を運んでいたという。

 会場では、三五年ごろの富里駅周辺を再現したジオラマ、軽便鉄道の理解を助ける車両の段ボール模型や実物大で作ったレール、路線図、時刻表、当時の風景写真などを展示。現在の生活道路や歩道、畑の一部といった鉄道の敷地の名残を紹介する写真もある。

 企画展は、図書館利用者が少しずつ減っていることを踏まえ、新たな市民を呼び込む目的で初めて開催した。地元であまり知られていない軽便鉄道に着目し、市民活動フェスタなどでパネル展示をしていた同会に出展を依頼した。

 会の相沢直哉さん(83)は「市域でも東関東道の南側は昔のままの風景だが、軽便鉄道の名残はなかなか分からないと思う。企画展を通じて、富里に鉄道駅があったことが伝えられればうれしい」と話している。

 企画展は十一月二十八日まで。観覧自由で無料。月曜、十月二十五日は休館。問い合わせは市立図書館=電0476(90)4646=へ。

 

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