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【千葉】

「千年に一度」の津波 南房総・和田で25.2メートル 県が想定

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 県は、「千年に一度クラス」の地震津波が発生した場合の津波・浸水の想定を初めて発表した。浸水面積は三十三市町村で県全体の約5%に相当する計二万八千六百十二ヘクタール。最大の津波水位は南房総市で二五・二メートルに達し、人口が多い東京湾奥エリアでも三〜四メートルと推計した。 (村上豊)

 二〇一一年三月の東日本大震災を教訓に制定された津波防災地域づくり法に基づき、一六七七年の延宝房総沖地震、今後起こり得る相模トラフ沿いの地震なども含めた五つの地震モデルをもとに想定。県の担当者は「発生頻度は極めて低いが、甚大な被害をもたらす地震津波」と説明する。

 最も高い津波は南房総市の和田漁港付近で、八分間で到達すると想定。銚子市や御宿町、鴨川市などで十五メートルを超える。東京湾奥部でも市川市に高さ四メートルの津波が二時間四十七分で達するなどとした。東日本大震災では旭市で七・六メートルの津波があり、十四人が死亡(うち震災関連死一人)、二人が行方不明になった。それより十メートルほど高くなる。

 これまでの県の想定(二〇一四、一五年度)は、津波の高さが最大で銚子市酉明浦(とりあけうら)の八・八メートル。県全体の浸水面積は四千四百三十ヘクタールだが、今回は六・五倍に拡大し、海に面していない松戸市、茂原市、東金市、香取市、睦沢町、東庄町の六市町も影響するとした。

 東日本大震災後、県は九十九里浜の海岸線に堤防を整備。現在八割の進ちょくで、一九年度末までに完成させる。今回の想定だと津波が堤防の高さを超えてしまうが、「津波にのまれても人が逃げられ、減災できるように改良する」という。

 県は今回の想定を、市町村のハザードマップ作りや警戒区域の指定などを定める防災地域づくりの推進計画の基礎資料にしてもらう。ただ、千年に一度クラスの事態に対し、各自治体がどこまで防災計画などに反映させるかは未知数だ。想定は、県のホームページで閲覧できる。

◆県想定の最大高潮 浦安市ほぼ全域浸水

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 県は、東京湾沿岸で起こりうる最大規模の高潮浸水の想定区域図を初めて作った。浸水の面積は十五市町で約二万三千六百ヘクタールで、一週間以上、水が引かない。最大の深さは千葉市中央区の線路をまたぐ道路(アンダーパス)などで十メートル、浦安市はほぼ全域で浸水する。

 近年の台風による全国での高潮被害を踏まえた二〇一五年の水防法改正に基づき、浸水想定区域を定めた。室戸台風(一九三四年)や伊勢湾台風(一九五九年)ほどの台風が通過し、河川が増水、堤防が決壊、排水ポンプが機能停止といったことを条件とした。この規模の台風が東京湾を通過するのは「千〜五千年に一回の確率」という。

 浦安市から市原市にかけて五メートル以上の高潮が押し寄せ、同市や市川市、木更津市、千葉市中央区でそれぞれ二千ヘクタール以上が浸水。沿岸のコンビナートや幕張メッセが被害を受ける可能性がある。

 県では高潮浸水想定区域図をもとに、市町村による高潮ハザードマップ作成を支援する。同図は県ホームページで閲覧できる。 (村上豊)

 

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