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【千葉】

「宇宙って普通の場所なんだ」 宇宙飛行士・金井さん、市川で講演

取材に、ブルーのフライトスーツ姿で応じる金井宣茂さん=いずれも市川市で

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 「宇宙って普通の場所なんだと感じました」。宇宙飛行士・金井宣茂(のりしげ)さん(41)の講演会が二十五日に市川市内であり、講演後の取材で金井さんに「宇宙に行って何を感じましたか」と質問したら、こんな答えが返ってきた。「宇宙って普通の生活空間じゃん、という思いを強くして(地球に)帰ってきた」とも。こうした言葉を交わしながら、遠い存在に思えた宇宙が、ぐっと近づいているのを実感した。 (保母哲)

 金井さんは東京生まれで、小学三年のとき市川市に引っ越した。同市立稲荷木(とうかぎ)小学校、東邦大付属東邦中・高校(習志野市)を卒業後、防衛医大に進学。海上自衛隊では医官として活動し、そのうちに「宇宙飛行士になりたい」との思いが強くなったという。

 夢がかない、昨年十二月から今年六月までの百六十八日間、国際宇宙ステーション(ISS)で活動。重力の影響を受けない宇宙空間であることからタンパク質の結晶生成や、超小型衛星の放出作業、マウスの飼育実験などに取り組んだ。

 今回の講演会は「ミッション報告会」との演題で市川市の和洋学園講堂で行われ、事前に応募した市民ら約千八百人が参加。金井さんはISSでの実験内容や、宇宙服を着ての船外活動などをスライドを交えながら説明した。ISSでの活動は、日本人宇宙飛行士では八人目だった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)職員との対談もあった。

 講演後には短い時間だったが、金井さんはマスコミ関係者の取材に応じ、宇宙への思いを語った。

 「人間の体って、宇宙空間でもすぐに適応してしまうんです。今の科学技術をもってすれば、日々、地上で生活しているのと同じように、宇宙でも生活できるって感じました」

 最近、IT企業の社長が宇宙旅行をすると発表したことなどを引き合いに、金井さんは「宇宙飛行士でなくても、(一般の人が)宇宙を体験できる可能性があるんです。宇宙はもう、人間の活動の場なんです。時代の変化を感じますね」と続けた。

 今回と同様の金井さんの講演会は、全国各地で開かれている。講演を通して「宇宙は、こんな面白いところだと知ってもらえれば。特に子どもたちには、宇宙だけでなく、いろんなことに興味を持つきっかけになってくれればと願っています」と話した金井さん。「僕の講演を聞いて、宇宙に興味を持った子どもたちが、大人になって僕の研究を引き継いでくれたら−。それに勝る喜びはありませんね」と笑顔を見せた。

 ◇ 

 市川市鬼高の県立現代産業科学館では十二月二日まで、企画展「宇宙(そら)の味−宇宙日本食と食品保存技術−」が開かれている。カレーやラーメンといった日本食が宇宙で食べられていることや、米国とロシアの宇宙食の実物などが紹介されている。問い合わせは同館=電047(379)2007=へ。

スライドを交えながら、国際宇宙ステーションでの活動内容などについて講演する金井さん

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