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【千葉】

AED 必要な人へ早く 要救助者までの道順など表示 来月から

AEDを現場に届ける実証実験の図解

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 柏市消防局は十二月一日から、街中に配備されている自動体外式除細動器(AED)を活用し、救命率の向上を目指す「AED運搬システム実証実験」に乗り出す。AEDの扱い方について講習を受けた「救命ボランティア」の市民に協力を仰ぎ、位置情報を示すスマートフォン(スマホ)アプリを使って、心臓停止(心停止)で手当てを必要としている人の元へ、AEDをいち早く届けられるようにする。 (堀場達)

アプリを使ったスマホ画面のイメージ(いずれも柏市消防局提供)

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 AEDを備えている公共機関や会社などは増えてきた一方、その活用は大きな課題だ。二〇一五〜一七年に柏市内で発生した心停止は千百二件。このうち、倒れるところが目撃されたのは二百八十七件だが、現場に居合わせた市民によってAEDが用いられたのは、4・2%の十二件にとどまった。

 AEDの活用が広がらない点について、消防局警防課の西柳重陽(しげあき)主査は「倒れた人の近くにAEDが配備されていると限らず、現場に目撃者以外の人がいなければ、AEDを持ってきてもらえない」ことを主因に挙げる。「AEDを倒れた人の所へ届ける工夫ができれば」と考え、京都大学や地理情報システム設計会社ドーン(本社・神戸市)などと協力し、二〇年三月末まで、今回の実験を進めることにした。

 実験ではドーン社が開発した無料の専用アプリ「AED GO」を使う。このアプリをダウンロードしたボランティアのスマホ画面には、消防局が把握した「心停止による要救助者」の位置と、周辺のAEDの場所が表示される。スマホを所持するボランティアの位置と、要救助者のいる現場までの距離、道順も画面上の地図に表示される。

 市内ではコンビニエンスストアの八割に当たる百三十五店が、AEDを配備している。また救命講習を受けた従業員らがいて、AEDを置いた公共施設など二百六十一カ所を「救急救命ステーション」と認定。市消防局は講習受講者を対象に、ボランティアのなり手を募集する。参加ボランティア三千五百人を目標に協力を呼びかける。

 実証実験は愛知県尾張旭市に続いて二例目。昨年四月から実験を始めた同市では、今のところ、救急隊より早く現場に到着したボランティアはいないという。

 柏市消防局は「救急隊の現場到着時間が、尾張旭の場合は六分半と全国平均(八分半)より早い。一方、柏は九・二分と長く、ボランティアが、心停止の人を助ける可能性は高い」とみている。

 

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