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【千葉】

同性カップル「パートナー」制度で千葉市へ 「いない」から「いる」存在に

パートナーシップ宣誓証明書を交付された簗瀬竜太さん(左)と伊藤悟さん

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 千葉市は二十九日、LGBTなどの性的少数者や事実婚のカップルを「パートナー」として認め公的な証明書を交付する制度を始めた。市役所で宣誓をし、証明書を受け取った同性カップルの伊藤悟さん(65)とパートナーの簗瀬竜太さん(56)は「性的少数者への理解が進むきっかけになれば」と話した。 (黒籔香織)

 熊谷俊人市長が伊藤さんと簗瀬さんに「より良いパートナーとしてこれからも幸せになってください」と声を掛け、証明書を渡すと、職員からは拍手が湧き起こり、二人は笑顔を見せた。この日は、伊藤さんらを含むLGBTのカップル四組と事実婚カップル二組の計六組十二人が証明書を受け取った。

 伊藤さんと簗瀬さんは同性愛者の相談や交流の場をつくる団体「すこたんソーシャルサービス」を一九九四年から運営する。二人は千葉市でパートナーシップ制度が導入されると知り、昨年十一月に船橋市から千葉市に引っ越した。

 それ以前の家探しのたび、「男の二人暮らしはダメ」と十回以上、入居を断られた経験があった二人。今回、千葉市で新居を探す際、思い切って不動産会社の担当者に同性パートナーだと明かし、市が交付する証明書を申請する予定だと伝えた。

 担当者はその場で上司に電話で報告し、部屋を内見した翌日には入居の審査が通った。伊藤さんは「パートナーシップ制度の効果があると思った」と話す。

 二人が千葉市への転居を決めたきっかけは、二〇一一年に簗瀬さんが尿管結石で船橋市内の病院に緊急搬送された際、病院側から「親族しか入れない」と言われ、付き添った伊藤さんが診察室に入れなかった経験からだ。簗瀬さんは「危うい社会に住んでいると思った。パートナーをみとることもできないかもしれない」と当時を振り返る。

 二人が十〜二十代のころ同性愛者は「異常」「変態」と否定され、簗瀬さんは「いないことにされた中で生きてきた」と振り返る。「市が後ろ盾となっているパートナーシップ制度は、味方を背負っているよう。性的少数者が『いる』ことを知ってもらいたい」と簗瀬さんは期待する。

 今回の制度の導入を受け、証明書の交付を受けた人を対象に、千葉市立病院は二十九日から、これまでは親族や事実婚カップルに限定していた重症で意識のないパートナーとの面会について、LGBTのカップルも面会ができるようにした。四月からはLGBTのカップルも市営住宅の入居が可能になり、来年度からは法律婚と二親等内の血族に限られていた市営墓地の利用もできる。

 市は今後、市内の民間病院や不動産業者らに制度への理解を求めていく。

 パートナーシップ制度の現状 全国で10自治体が導入し、千葉市は11例目。2015年3月、全国で初めて東京都渋谷区で同性カップルにパートナーシップ証明書を発行する条例が成立し、同年11月に交付を始めた。

 政令市では札幌市が17年6月、LGBTなどの性的少数者のカップルを対象にした制度を開始。この他、同様の制度を東京都世田谷区や中野区、大阪市、福岡市などが、最近では今月1日から群馬県大泉町が導入した。

熊谷俊人市長(右端)と意見を交換する宣誓者ら=いずれも千葉市役所で

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