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熱戦(下)毛呂山町長選 自民ねじれ 町二分

候補者の出陣式に集まった支持者=毛呂山町で

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 毛呂山町長選は新人で元町議の岡部和雄(56)と、再選を目指す現職の井上健次(56)の無所属二人が一騎打ちの激戦を繰り広げている。町議会の自主解散で、今回の統一地方選から町議選(定数一四)も同日程で行われており、町内各地で選挙カーから支持を訴える声が交錯する。

 町長選で自民は地元の毛呂山支部が岡部、県連が井上を推薦。結果的に毛呂山支部内も分裂する選挙となった。「昨年夏に支部として岡部さんの推薦願を県連に提出したが、県連は現職の井上さんを推薦した。地元には何の説明もない」。岡部陣営幹部は口々に不満を漏らす。

 県連と毛呂山支部の「ねじれ」は、先に行われた県議選から始まった。毛呂山町を含む西9区で再選を果たした自民現職の武内政文(62)=越生町出身=に対し、毛呂山支部有志は元毛呂山町長の四男の下田俊哉(61)を擁立。岡部と下田の出馬には、当時の支部長で地元政界に大きな影響力を持つ埼玉医大名誉理事長・丸木清浩(元県議会副議長)の支持があったとされる。

 岡部、井上両陣営の幹部は「県議選では、岡部陣営は下田さん、井上陣営は武内さんを応援した支持者が多い」と口をそろえる。二十一日、井上の出陣式で武内は「国、県、町がしっかりつながって(井上候補の)プロジェクトが完成する」と述べ、近隣の自民県議も国、県とのパイプを強調。井上も「なぜ四年間、タッグを組んできた二人を引き離すのか」と訴えた。

 町の人口は一日現在で約三万五千百五十人。一九九五年の約三万七千九百人をピークに減少傾向が続き、少子高齢化対策と雇用の確保が大きな課題となっている。岡部は埼玉医大病院や開業医などと連携した町民の健康管理システムのほか、小中学校給食費の半額公費負担、企業誘致の促進などを公約。井上は「公約の九割は達成した」とする一期目の実績や、現在動きつつある企業誘致と連動した川角駅周辺整備により住宅開発を呼び込む人口減、少子化対策などを訴える。

 両陣営が同じ時間にぶつけ合った出陣式は平日にもかかわらず、双方とも三百人以上の支持者を動員して互角の戦いを演出した。しかし、目立った争点はなく、岡部は「現職は議会、職員、町民と離れ、一人だけの町政」と井上を批判。これに対し井上が「まったくのデマ。一期目の公約を達成できたのは、職員とともに一生懸命やってきたから」と否定するなど、舌戦が熱を帯びている。

 町長選と町議選が同時に行われるのは一九五五年、旧毛呂山町と旧川角村の合併で現在の町になってから初めて。町選挙管理委員会は「町民からの問い合わせが多い」と投票率アップに期待する。解散で引退した元町議は「町議候補は自分の選挙で精いっぱいで、町長選の応援まで手が回らないかもしれない」と話す。ある選対幹部は「町議候補に頼まれて投票所に来た人が、町長選でどちらの名前を書くのか。最後まで読めない」と声をひそめた。

  (敬称略、中里宏、服部展和)

◆毛呂山町長選立候補者(届け出順)

◇岡部和雄(おかべかずお) 56 無新 

 米店経営(元)町議長▽東洋大=自

◇井上健次(いのうえけんじ) 56 無現<1>

 観光農園役員(元)町議▽鯉渕学園専=自

 

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