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県議選 各党の県版公約読み比べ 防災、原発、指定廃棄物どう対処

県議選候補者の演説を聴く有権者。原発や指定廃棄物などの問題が山積する中、どの候補に一票を託すのか=6日、塩谷町で

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 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で被害を受けた県内では、防災や原発、再生可能エネルギーの在り方は、県議選でも避けては通れないテーマだ。無所属候補はそれぞれの立場を街頭で訴えているが、各政党の候補は、党の方針を反映させた県版の公約を基に主張を展開している。それらを読み比べ、各党が難題にどう向き合っていくのかを考えた。 (大野暢子)

■政策実現力を強調

 自民党県連は、災害に弱い地域をなくすための公共工事など、ハード面の整備を重視。再生エネの普及や高濃度の放射性物質を含む「指定廃棄物」の早期処分、除染事業など、多方面に目配りした政策が並ぶ。

 政策実現力をアピールできるのは最大会派の強みで、県政への影響力も自負。それだけに、原発の再稼働に前向きな安倍政権の姿勢に対し、有権者や福島県から栃木県内に避難している人たちにも、納得がいく説明が求められそうだ。

■指定廃棄物を争点化

 民主党県連は、二〇三〇年代に全国の原発稼働数ゼロを目指すと公約。指定廃棄物の最終処分場候補地を塩谷町とした国の計画に強く反対する。県内に最終処分場を造るとする「放射性物質汚染対処特措法」の基本方針見直しも掲げる。

 脱原発の姿勢は明快で、処分場問題に揺れる塩谷町にも配慮した内容だ。ただ、基本方針は当時の民主党政権が決定した背景もあり、党内には今も多様な意見がある。有権者は解決への具体策を期待している。

■議会をより透明化

 公明党県本部は重点政策として、太陽光やバイオマスなどの再生エネの普及を推進するとアピール。県議会のインターネット中継を拡充させ、県政の議論を透明化し、住民が参加しやすい議会を目指すと誓う。

 たとえ議会で活発な議論が繰り広げられても、有権者に届かなければ意味がない。議論の透明化には大きな意味があるが、多様な意見がある指定廃棄物や原発には踏み込んでおらず、公約には他党と主張を比べられる材料は見られない。

■原発反対を鮮明に

 共産党県委員会は「住民合意のない計画の押しつけは許せない」と、指定廃棄物の処分場計画に反対。脱原発を目指す意見書提出の陳情が採択されないなど、県議会の中で脱原発の機運が低いことも問題視する。

 共産党不在の「オール与党体制」に切り込む姿勢に、共感する有権者もいるはずだ。さらに言えば、原発からの脱却には、他党もうなずくようなアイデアと求心力が必要だ。事故後の厳しい現場を知る有権者は、政策実現力も求めている。

 東日本大震災後の県議会 震災を機に、2012年4月、都道府県レベルでは全国で初めて「通年議会」を導入。議長の判断でいつでも会議を招集できるようになり、翌月に発生した竜巻被害では迅速な対応につながった。ただ、本会議の数は、通年議会の前後を比べても大きくは変わらず、年間20回前後と横ばい。一般的には首長と対立する議会がある一方、県議会では、震災後は双方が歩調を合わせる場面も増えた。この4年で、議員提案で制定された条例は1件にとどまる。

 

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