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無投票の茂木町 課題山積の中 託せぬ「思い」

 町長選や町議選が告示された六町で唯一、無投票となった茂木町議選。国政選や知事選を除き、町では二〇一一年の町議選、昨年の町長・町議補選、今月三日に告示された県議選と無投票が続いており、有権者が地域への思いを一票に託せない状況が続く。

 無風となった一方、町が抱える課題は深刻さを増している。有識者による日本創成会議が昨年発表した、二〇四〇年に若年女性が半数以下となる「消滅可能性都市」には、県内から七市町の名が挙がり、茂木町も含まれた。

 県の統計によると、昨年の町の出生数は五十三人で、県内の全二十五市町中、二十四位。一方で、町人口に占める六十五歳以上の割合は35・5%、七十五歳以上は20・9%に上り、高齢者率は県内で最高だった。

 町には、国内有数の規模を誇るオートレース場「ツインリンクもてぎ」や、国から道の駅の全国モデル六選に選ばれた「道の駅もてぎ」もある。ただ、東京から日帰りできることもあり、宿泊客や定住者の増加にはつながっていない。

 原発との距離も気掛かりだ。茨城県との県境にある茂木町は、茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発から直線で約三十二キロしか離れていない。政府は現在、安全審査に合格した原発を順次、再稼働させる方針を掲げており、東海第二原発の今後を心配する人も多い。

 町で有機野菜の販売業を営む男性(46)は、議員のなり手不足の原因を「若者が少ないため、年長者が政治の担い手を育てられない」と指摘。男性ら有志は昨年から、町内の世代間交流を図るため、高齢者が若い世代に指導する伝統農業の講座や、幅広い世代が参加できる青空市場などの催しを企画し、成功させてきた。

 「町の将来を考え、行動している人は多い。ただ、政治への関心が低いせいか、その思いが選挙に結び付いていかないのが残念だ」 (大野暢子)

 

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