東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 統一地方選2015 > 東京 > 記事

ここから本文
写真
 

つないだ原発NO 保坂さん決意新た 世田谷区長再選

世田谷区長選で当選確実となり、支持者とともに「せたがやイエス」の掛け声で喜ぶ保坂展人さん(中)=26日午後9時44分、東京都世田谷区で

写真

 有権者は暮らしに身近な課題を考え、未来を任せる人を選んだ。統一地方選は二十六日、市町村や東京都の特別区の首長、議員選の投票が行われた。首長選では、原発がテーマになった東京都世田谷区と北海道函館市で、民意は「NO」。土石流災害から復興途上の伊豆大島(東京都大島町)の人々は、元町職員の新人に託した。渋谷区は現区長の後継が新人四人の激戦を制し、多選の是非が問われた中央区は現職が八選した。

 「脱原発」、そして区民と行政が知恵を出し合う「参加と協働」を世田谷区民は支持した。特定の政党の推薦を受けず、自民、公明推薦の新人との一騎打ちを制して再選した現職保坂展人さん(59)は「世田谷のような電力消費地でエネルギー転換をする、これが大事なポイントだ」と、一期目に掲げた脱原発の取り組みをさらに進めると語った。

 二十六日午後九時前には優勢が伝えられ、事務所で支持者の拍手に包まれた保坂さんは「二期目も区民からいろんな意見を受けながら、みんなで世田谷をつくっていきたい」と語った。

 東日本大震災と福島第一原発事故の直後に行われた前回の区長選で、脱原発を掲げて初当選。脱原発に向け、区施設の電気供給を新電力と呼ばれる特定規模電気事業者に切り替え、太陽光発電設備への補助制度を導入するなどした。

 保坂さんに投票した会社員、鷹浜美春さん(54)は「脱原発の意思表示を続けるのは大変だと思うが、がんばってほしい」。原発事故後、食の安全や自然エネルギーへの関心が高まったといい、「自然再生エネルギー促進の取り組みを加速させてほしい」と期待した。

 一期目の区政は、各地で車座集会や意見交換会を開いて区民の声に耳を傾け、子育て・教育関連予算を増やした。民主、共産、社民、生活者ネットワークが実質的に支援した今回の選挙は、子育て中の母親らのボランティアが草の根選挙を行い、財政健全化、発達障害や引きこもりの若者の就労支援対策などの実績も強調。「決められない区政」との相手陣営の批判も大きな脅威にはならなかった。

 長男(6つ)と一歳半の長女を育てる会社員女性(37)は「保育園を整備してくれたから」と評価。「子どもを預けられるなら働きたい女性は多いはず。そうすれば税収も増える」。無職三浦暉(あきら)さん(75)は「今どき『道路、道路』と言っていては困る。子どもや福祉のために少しでも予算を割いてくれる方がいい」と話した。

 新人の久保田英文さん(55)は三軒茶屋駅近くの事務所で「結果がすべて。不徳の致すところ」と支持者に頭を下げた。出馬表明が三月になり出遅れは否めず、自民、公明による組織選挙も浸透しきれなかった。

 

この記事を印刷する