東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事

ここから本文

【社説】

韓国大統領選 対北政策を注目したい

 罷免された朴槿恵前大統領の後任を決める韓国大統領選が始まった。次期政権は核武装を進める北朝鮮の脅威と、正面から向き合うことになるだろう。各候補の北朝鮮政策を注視したい。

 大統領選は五月九日に投開票される。革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅前代表と、中道の野党第二党「国民の党」の安哲秀元代表による事実上の一騎打ちになる公算が大きい。

 朴前政権の腐敗を受けて、公正で透明性の高い政治の実現、政権と財閥企業の癒着解消などが主要争点になる。有権者は少子高齢化や社会全体に広がる格差への取り組みにも関心を寄せる。

 この数週間で、外交、安全保障が大きな争点に浮上してきた。

 韓国は北朝鮮の核とミサイルの脅威に直面している。韓国と同盟関係にある米国のトランプ政権は朝鮮半島近海に空母を派遣し、「あらゆる選択肢がテーブル上にある」と言明して、北朝鮮に軍事力使用も排除しない姿勢を示す。

 文、安両氏とも、北朝鮮に対する先制攻撃に反対し、北朝鮮との対話を模索すべきだという主張では共通している。

 文氏は南北対話を再開して、多様な方面で北朝鮮の変化を促す重要性を強調する。かつて盧武鉉政権の高官として、南北融和路線を進めた経験によるものだろう。一方、安氏はまず米韓同盟の強化が必要だと言う。今回の選挙で有力な投票先を持たない保守票を意識したといえる。

 北朝鮮のミサイルを迎撃するための高高度防衛ミサイル(THAAD)の運用も、韓国内で意見が分かれる。THAAD配備に強く反対する中国を刺激し過ぎると、経済交流にマイナスになるとの懸念がある。

 文、安両氏は安全保障、北朝鮮との対話など、公約を具体的に示してほしい。有権者である韓国国民はもちろん、日本や米中も強い関心を持っている。

 北朝鮮の軍拡路線に歯止めをかけるには、韓国は的確な外交で周辺国と協調する必要がある。米中は北朝鮮制裁の強化に向けて協力する動きを見せている。韓国がどのような形で関与できるのか、十分な検討を望みたい。

 慰安婦問題に関する日韓合意について、各候補は撤回あるいは見直しを主張するが、国家間の取り決めは政権交代後も維持すべきだ。日韓には歴史の懸案だけでなく、北朝鮮の核問題など協力が必要な事案も多い。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報