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【社説】

北新型ミサイル 包囲網の再構築を急げ

 北朝鮮が新型とみられる弾道ミサイルを発射した。国際社会は制裁を強めて核、ミサイル開発の資金源を断ち、併せて米国と中国が利害を超えて、北朝鮮を対話の席に着かせる努力が欠かせない。

 北朝鮮メディアは発射翌日の十五日、「新型の中長距離弾道ミサイル発射に成功した」と報じ、軌道については、日韓当局が試算した「飛距離約八百キロ、高度二千キロ以上」に近いデータを公表した。

 日本の排他的経済水域(EEZ)外の日本海に落下した。通常の角度で発射すれば飛距離は四千キロを超えるといい、グアムの米軍基地も射程に入る。また高度の上空から加速して落下してくれば、迎撃ミサイルでの対応が難しくなる。

 米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成に一歩近づいたとの見方もあり、脅威はさらに高まった。

 国連安全保障理事会は緊急会合を開くが、まず厳しい非難声明を出す必要がある。

 発射は韓国の文在寅新大統領の就任から五日目、中国にとっては、重要な「一帯一路」国際会議の開幕日だった。強い不快感を与える暴挙というしかない。

 北朝鮮の最終的な目標は、核とミサイルで戦力を高めた上で、米国と交渉し、金正恩体制の保証を取り付けることだろう。

 強硬策の一方で、北朝鮮は外交を模索しているようだ。先週、ノルウェーで開かれた国際会議に外務省局長を派遣し、米政府の元高官と接触した。北朝鮮はトランプ米政権から米韓合同軍事演習により強い圧力を受け、中国からは石炭輸入の停止を通告されるなど、外交で孤立し、経済も苦しいのは否定できない。

 米中が北朝鮮の暴走を止めるために協調し始め、一方で韓国の文政権は環境が整えば南北対話の再開を目指すという。日本、ロシアも含めた北朝鮮を巡る関係五カ国が十分に意見交換をし、連携を強めながら、対北包囲網の再構築を急ぐことが重要だ。

 関係国はまず制裁を強化して、外貨など、核、ミサイル開発に必要な資金源を断つことに総力を挙げる。次に、北朝鮮が譲歩する動きを見せた段階で、交渉のテーブルに着かせることを当面の目標にすべきだ。

 北朝鮮のミサイルには事前探知と、発射直後の追尾が差し迫った課題になる。日本は米国、韓国との防衛協力を着実に進める必要がある。

 

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