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【社説】

凋落の民進党 政策を練り選択肢示せ

 東京都議会選挙では民進党も敗者だ。旧民主党時代には第一党だった当選者数も一けた台に落ち込んだ。なぜ、そこまで凋落(ちょうらく)したのか。党の立て直しを急がねば、再び政権の選択肢にはなり得まい。

 民進党が置かれた厳しい状況は都議選前から顕著だった。離党者が相次ぎ、公認候補は二十人台止まり。選挙戦も厳しく、選挙前の七議席を五議席に減らした。

 森友・加計両学園の問題や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法成立をめぐる強引な国会運営、稲田朋美防衛相の失言など、民進党には有利な状況だった。にもかかわらず、自民党批判票の受け皿になれず、その役回りを小池百合子都知事の「都民ファーストの会」に奪われた。

 旧民主党政権時代に失った信頼を回復することは容易ではないとしても、どう党を立て直してよいか分からないまま、政権転落後の四年余りを無為に過ごしてきたのが現実ではないのか。それを有権者に見透かされたのだろう。

 党を取り巻く環境が厳しくなると、遠心力が働き、離党者が相次ぐ。蓮舫代表の二重国籍問題が都議選敗北の一因だとして、戸籍謄本の提出を求める。身勝手で、的外れなことを繰り返しては、党の立て直しなど永遠にできない。

 民進党の再生には、有権者に選んでもらえるような、自民党とは違う理念と政策を練り上げ、愚直に訴えるしかあるまい。

 二〇〇九年衆院選では、政権交代で政治がこう変わる、という具体像がマニフェスト(政権公約)に描かれていた。その実現性には疑問が残るとしても、有権者は政策を選び、政治に参加することを実感できた。民進党はいま一度、その政治の原点に戻るべきだ。

 有権者の関心はやはり暮らしや社会保障にある。その政策分野でどれだけ具体像を示せるかが、選挙の行方を左右するだろう。

 党の「尊厳ある生活保障総合調査会」は、増税で財源を確保し、介護サービスの拡充や幼児教育・保育の無償化などに充てることを提唱してはいる。

 しかし、自民党の小泉進次郎衆院議員ら若手議員が三月に打ち出した「こども保険」構想と比べ、現段階では具体性に乏しく、出遅れ感も否めない。

 一八年十二月までには衆院選、一九年夏には参院選がある。早急に政策の肉付けを急ぎ、進んで有権者に訴えかけるべきだ。敵失待ちの政治では、いつまでたっても政権復帰などおぼつかない。

 

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