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【社説】

トヨタとマツダ できるか革新的EV

 トヨタ自動車とマツダが資本提携し、電気自動車(EV)の技術開発で手を組む。世界の自動車業界の潮流となりつつあるEVで独自のクルマづくりを志し、勝ち残る決意からだ。

 トヨタとマツダが包括的な業務提携を結んで二年。EV技術の共同開発に合意する間、自動車業界を取り巻く環境は激変した。

 トヨタ得意のハイブリッド車(HV)は、ガソリンエンジンと電気モーターを併用し燃費は良いが、二酸化炭素(CO2)を出すため、二〇一八年には米カリフォルニア州と中国でエコカーとして事実上認められなくなる。仏英両政府は七月、ガソリン、ディーゼル車の販売を四〇年以降に禁止すると表明した。

 トヨタは、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)を究極のエコカーと位置づけている。世界で初めて市販したが、追随したのはまだホンダぐらい。急速に進む規制強化を受け、欧米メーカーは同じ排ガスゼロでも、FCVと比べて技術的に参入しやすいEVの開発に軸足を移した。このためトヨタも昨年秋からEV開発を急ぐ必要に迫られた。一方のマツダは、EV開発はこれからの段階だが、魅力ある車づくりに定評があり、世界販売台数で十倍近いトヨタも「学べる相手」という。

 EVは、電動ならではの滑らかな加速が魅力ながら、馬力も燃費もさまざまなエンジンと異なり、「クルマとしての特徴を出しづらい」と両社はみている。

 そこで知恵を持ち寄って開発するのが、EVを差別化できるベース技術だ。軽自動車から乗用車、小型トラックまで車両タイプごとに、車体や足回りなどのハード面を共有し、走りの基本性能を高める狙いがある。自動運転を見すえ、情報通信などのソフト面も共通化する考え。その上でデザインや乗り心地をそれぞれ工夫して市販する戦略のようだ。

 EVは蓄電池の性能が一回の充電で走れる距離を左右する。今はリチウムイオン電池が主流だが、トヨタは、走行可能距離を大幅に延ばせる「全固体電池」を搭載したEVを二二年にも国内で発売する。この次世代電池を世界で初めて実用化し、マツダなど提携他社にも供給して量産コストを下げられれば、EV競争で一気に優位に立つ可能性を秘める。

 家電などの価格競争で長く沈んだ電機大手の二の舞いは避けたい。EV共同開発の成否は日本のものづくりの未来を占う。

 

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