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【社説】

三大都市圏連合 地方分権の旗忘れるな

 衆院選に向け東京、大阪、名古屋の三知事が連携を表明した。地方分権改革推進を政策の旗に掲げたことに期待したいが、選挙戦術の利害が一致しただけの同床異夢の連携にならぬよう望みたい。

 東京都の小池百合子、大阪府の松井一郎、愛知県の大村秀章の三知事が大阪市内で会見し、「しがらみのない政治」「身を切る改革」「真の地方自治の推進」の三点で合意した。

 三大都市圏連合(三都連合)として、小池氏の新党「希望の党」、松井氏が率いる「日本維新の会」の候補すみ分けを軸に、政権交代を目指す選挙戦略だという。

 国際博覧会(万博)の大阪誘致などで安倍政権の支援を受けてきた松井氏と、「反安倍」の政治姿勢を鮮明にする小池氏の突然の連携には違和感もある。

 単なる選挙互助会としての連携ではないのか、統一的な訴えの中身に目をこらす必要があろう。

 だが、総選挙で地方自治体の首長が「地方分権の改革」を共通政策の筆頭に掲げ、連携して戦うのは異例であり、注目したい。

 大阪市での会見で「(東京と大阪)両者の応援団に」と発言した大村知事が、三都連合の橋渡しを担ったという。

 確かに、大村知事は定例会見でも「われわれ(首長)の仕事は、地方分権の推進など国政にもの申す必要がある」と、繰り返し地方分権の重要性を強調してきた。

 地方から見れば、国政選挙の時に湧き起こる地方分権の訴えはかけ声ばかりで、国の本気度が問われるようなもどかしさがあった。

 八月に亡くなった梶原拓前岐阜県知事は一九九七年、「タコつぼに住んでいて地方のことを全然知らない東京タコ」と中央一極集中を痛烈に批判。二〇〇三年には全国知事会会長として「闘う知事会」の看板を掲げ、国から地方への税源移譲を訴えた。

 地方分権への取り組みが本物になれば、地方や地域がそれぞれの事情に合った、より適切で柔軟な地方政治を行うことができる。

 具体的には、憲法の「地方自治の章」の改正による地方政府への立法権、課税自主権の付与などは重要な争点となろう。三都連合の旗揚げを好機に、選挙戦で大いに議論してほしい。

 首長連携でクローズアップされた地方分権だが、大都市だけでなく地方への目配りも忘れてはならない。有権者は論戦の本気度に耳を澄ませたい。

 

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