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【社説】

北陸の豪雪 克雪に英知を集めたい

 これはもう豪雪災害だ。福井市の積雪は五六豪雪(一九八一年)以来の一四〇センチ超に達し、死者も出た。石川、富山両県も記録的積雪。当面の被害拡大を食い止めつつ、克雪への対策を進めたい。

 始まりは一月十〜十三日の寒波到来だった。金沢市の積雪が七年ぶりに五〇センチを超えた。生活道路の除雪が進まず、課題を残した。

 この積雪が消える間もなく二、三度と寒波が襲来した。「寒のうちだから」と、雪に慣れっこの北陸の人々はタカをくくっていた節がある。立春がすぎ今度は数年に一度の寒波がやって来た。金沢市の積雪は平成二番目の約八〇センチに、富山県内でも西部を中心に約九〇センチとなった。

 今豪雪のメカニズムは、朝鮮半島の山脈で二手に分かれたシベリア寒気団が日本海で再び合流する「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)が主因。ここで上昇気流ができ、水蒸気が急激に冷やされ雪雲が続々発生、北陸に上陸した。典型的な里雪タイプとなった。

 融雪装置のない国・県道は重機等の除雪力が頼りだが、降雪量に追いつかなかった。各地で幹線道路が寸断された。石川・福井県境の国道では千五百台が丸一日立ち往生した。自衛隊が派遣され、夜を通した除雪も続いた。

 高速道路も通行止めが続いた。JR北陸線は二日間にわたって全面運休した。郡部はもちろん、都市部でも通勤通学が不可能な状態に陥った。思い切ってマイカーで家を出たが、大渋滞につかまり、目的地へ着かないまま必死の思いで引き返した。そんな人たちも多かったのではないか。まさに五六豪雪が思い出される。

 まず幹線道路の除雪について、初動態勢、除雪優先順などを検証せねばならない。ドライバーにとって情報不足も露呈した。渋滞距離と通過見込み時間、消雪パイプ等が備わる融雪道路の明示と誘導も望みたい。ITを使って情報共有できないか検討してほしい。

 ごく一部の運休だけで通常運転を貫いた北陸新幹線の融雪技術は目を引いた。金沢−糸魚川間に備えられた温水パネルを使った融雪装置等は他で応用できないものか。予報技術は発達している。ならば克雪も進化できるはずだ。各事象を分析し、産学官の英知を集めて対策を進めたい。

 人命を守る対策も不可欠だ。今後、落雪や屋根雪下ろしにも注意したい。不要不急の外出を控えることはもちろん、企業が休業判断するマニュアル等も必要だろう。

 

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