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【社説】

はしかの流行 侮らずに予防接種を

 はしかが沖縄県を中心に流行している。名古屋市でも患者が発生し広がっている。予防にはワクチンの接種が有効だ。多くの人が移動する大型連休が近づいている。警戒を怠らないでほしい。

 はしかは、麻疹(ましん)ウイルスによって起こされる感染症だ。非常に強い感染力がある。免疫のない人が感染するとほぼ発症する。感染約十日後に発熱やせき、鼻水といった症状がでる。その後、高熱と発疹が現れる。

 怖いのは患者千人に一人の割合で発症する脳炎である。まれに、学童期に中枢神経疾患を発症することもある。

 日本は、二〇一五年に土着のウイルス感染がない「排除状態」と世界保健機関(WHO)から認定された。問題なのは海外からの輸入感染が起きていることだ。

 発端は三月、沖縄県で台湾から来た三十代男性がはしかと診断されたことだ。県内で感染が広がり観光業にも影響がでている。

 沖縄を旅行した十代男性が帰省先の名古屋市で感染していたことが分かった。その後、男性が受診した市内の病院に勤務する職員など周囲に感染が広がっている。

 大型連休を迎え旅行や帰省で人の移動が増える。医療機関は感染の動向を注視してほしい。

 ウイルスは空気感染もするので手洗いやマスクの着用のみの予防はできない。自分や周囲の人に発熱などがあったら、いきなり受診することは避けたい。感染を広げかねないからだ。医療機関に電話し相談した上で受診するよう心掛けたい。公共交通機関は使わず自家用車などを利用したい。

 有効な予防策はやはりワクチン接種である。かつては子どものうちに自然感染し免疫を得た人が多い。一九七八年から国の定期接種になり二〇〇六年からはより免疫を得られる二回接種になった。

 だが、その直後に接種が一回だった若者を中心に流行が起きた。現在は二十代後半から四十代になる。国は流行直後の五年間、二回目の接種対象に加えたが未接種の人もいる。接種状況を確認し、追加接種をすることが大切だ。

 妊娠中に感染すると流産や早産の懸念があるが、接種はできない。外出を避けるなどの対処が要る。妊婦の同居者は未接種なら接種を考えてほしい。

 二年後には東京五輪・パラリンピックで多くの外国人が訪日する。感染症を水際で防ぐには限界がある。私たち自身で感染に関する情報を集め予防に努めたい。

 

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