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【社説】

第5次エネ計画 原発維持の指針に映る

 四年ぶりに改定された国のエネルギー基本計画。原発依存の低減、再生可能エネルギーの主力化という看板を掲げておきながら、プルトニウム問題一つとっても、原発びいきが過ぎないか。

 原発へのこだわりが色濃くにじむ“皮算用”だ。

 新計画は二〇三〇年の電源構成のあるべき姿を示しており、原子力は震災前の25%を22〜20%に減らすという。約三十基の原発が動かねば実現できない数字である。

 3・11後に再稼働した原発は五カ所で九基。原発寿命は原則四十年。それ以外にも福島の十基など、廃炉は進む。

 建設途中の中国電力島根原発3号機や電源開発(Jパワー)大間原発などのほかにも、相当数の新増設が必要になるはずだ。

 福島の事故処理も十分な賠償も進まぬ中、国民の過半が脱原発を望んでいる。

 新計画への意見公募にも計約五万三千人から、早期原発ゼロなどを求める署名が集まった。

 政府はとりあえず、東電柏崎刈羽6、7号、日本原子力発電東海第二の再稼働を勘定に入れている。

 東電による柏崎刈羽にしても、首都圏を背にした東海第二にしても、世論や地域が、すんなり受け入れてくれるはずもない。

 一方、風力や太陽光などの再生可能エネルギー。こちらはあまりに消極的と言うしかない。

 震災前の10%を三〇年には22〜24%。「主力電源化」への布石というが、ドイツの「五〇年再エネ八割」目標を持ち出すまでもなく、“二割打者”を果たして「主力」と言えるのか。

 新計画は、原爆の主材料にもなるプルトニウムの削減を唐突に打ち出した。核不拡散を求める米国の強い意向を受けての記述だろう。日本は、燃料として再利用するために使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムをすでに、約四十七トン保有する。

 それでも政府は再処理計画をあきらめず、プルトニウムを混ぜ合わせた燃料を大間原発などで燃やす腹づもり。プルサーマル発電だ。

 しかし、原発を動かし続け、再処理をやめないのなら、プルトニウムもまた増える。費用もかかるし、焼け石に水ではないか。

 脱原発、再生可能エネ、核不拡散…。これ以上、世界の流れに取り残されたくなかったら、「可能な限り原発依存度を低減」の看板に偽りなきよう、速やかに計画を改めるしかないだろう。

 

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