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【社説】

沖縄の基地負担 本土の知事も共感を

 沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に関し市民団体が行った全国知事アンケートで、全知事の約四分の一が沖縄の基地負担は「過重」との認識を示した。痛みへの共感をさらに広げたい。

 アンケートは、基地負担を本土が分かちあおうと呼び掛ける学者や市民で作る「辺野古を止める!全国基地引き取り緊急連絡会」が沖縄県を除く四十六都道府県知事に郵送で行い、八月上旬までに三十九道府県から回答があった。

 「米軍基地の沖縄負担は過重か」の問いに、全国知事会長を務める上田清司埼玉県知事ら十二人が「過重」と回答。川勝平太静岡県知事は「限界の様相を呈している」と付記した。このほか、群馬、福岡、鹿児島県知事は、回答を選択しなかったものの、自由記述で「大きな負担をしていただいている」などの認識を表した。

 「(本土側でも)訓練受け入れなども含め平等に基地負担をした方が良いか」には大分、宮崎両県知事がそう思う、と踏み込んだ。そう思わない、とする達増拓也岩手県知事は「日本全体の負担軽減のため国外移設を」と訴えた。

 そのほかの大半の知事は「安全保障は国の専管事項でありコメントする立場にない」と、無回答や「どちらともいえない」と回答の選択を避ける傾向だったものの、沖縄に寄り添う姿勢の知事が増えているのも事実だ。

 同じ質問でないため単純に比較はできないが、同連絡会が昨年行った知事アンケート(四十二道府県が回答)では、沖縄の米軍基地について「縮小すべきだ」と答えた知事はわずか四人だった。

 背景には、八日に亡くなった翁長雄志沖縄県知事の呼び掛けで一昨年、全国知事会に「米軍基地負担に関する研究会」が設置されたことも影響しているだろう。その議論を踏まえ知事会は七月、日米地位協定の抜本改定などを求める提言を全会一致で決議している。

 これまで米軍基地問題に対しては、基地のある都道府県(現在は十五)で作る渉外知事会が主に対応してきたが「基地なし」県にも理解が広がっている。

 沖縄の米軍基地は、本土からの移転で偏在が顕著になった歴史もある。翁長氏はかねて「沖縄県にのみ負担を強いる日米安保体制は正常といえるのか。国民のすべてに問いかけたい」と述べてきた。

 私たちそれぞれが真摯(しんし)にその問いを受け止めれば、知事を、そして政府を動かす力になるはずだ。

 

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