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【社説】

加計氏の会見 国政調査権を使わねば

 知らぬ・存ぜぬ−。学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長の会見は結局は、国民の疑念を晴らす内容ではなかった。あいまいな姿勢を続ける以上、加計氏らを国会に呼び解明すべきである。

 記者「(愛媛)県文書に全く目を通していないのか?」

 加計氏「はい」

 記者「県文書を基に、渡辺氏に聞き取りをしていないのか?」

 加計氏「はい」

 渡辺氏とは岡山理科大獣医学部(愛媛県今治市)の開設をめぐり、「理事長と安倍晋三首相が面会した」と同県や同市に虚偽の説明をしたという人物だ。学園事務局長の渡辺良人氏である。

 愛媛県の文書は、首相が加計氏と二〇一五年二月に面会し、学部新設の説明を受けたとの学園側の報告に基づく文書であり、極めて重要な内容だ。

 同年四月には首相官邸で県と市、学園側が当時の首相秘書官の柳瀬唯夫氏と面会した。そのとき柳瀬氏が語った「本件は首相案件」などと書かれた文書もある。

 加計氏は二月の首相との面会も「記録がないので会っていないと思う」と否定。柳瀬氏の件も「知らない。(中略)詳細は分からない」と言うばかりだ。

 獣医学部の新設では九十三億円を補助する今治市に対して、同県は三十一億円を支援する。今年七月には県議会が「いまだ混迷した状況が続く。学園自ら疑念を晴らす説明をすべきだ」という決議を全会一致で採択していた。

 それを受けての会見だったのに、加計氏が文書も読まず、内部の聞き取りもしないで臨むとは、あまりに不誠実すぎる。とくに渡辺氏が県市に対し、虚偽の説明をしていたなら、ウソで新学部認可にたどり着いたことになりはしないか。「事が前に進まず、勇み足だった」(加計氏)程度の認識では許されない。

 もはや国政調査権で真相解明を進めるべきだ。加計氏や首相、県市の関係者に国会で真実を語ってもらおう。

 あやふやなまま幕引きではいけない。国民の関心も高い。多額の税金が絡んでいる。

 国家戦略特区の活用で開設できた新学部だ。特区の議長は首相でもある。仮に一五年二月の首相の「いいね」の言葉が開設の弾みになったなら、行政のゆがみを招いたのではないか。首相の国会答弁とも矛盾する。新学部をめぐる「腹心の友」との関係を国会で徹底追及すべきである。

 

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