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【社説】

オスプレイ配備 住民の懸念と向き合え

 米空軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが横田基地に配備された。安全性に懸念を残したままで、周辺住民らが反対するのは当然だ。日米両政府は、住民らの懸念にどこまで真摯(しんし)に向き合ったのか。

 米軍横田基地(東京都福生市など)に一日、CV22オスプレイ五機が正式に配備された。日本国内では、海兵隊仕様のMV22が駐留する沖縄県以外では初めてのオスプレイ配備である。二〇二四年ごろまでに段階的に増やして計十機態勢とし、要員約四百五十人を配置する、という。

 オスプレイは、プロペラの向きを変えることでヘリコプターのように狭い離着陸帯から飛び立ち、固定翼機のように遠方まで高速で到達することができる、双方の特性を併せ持つ特殊な機体だ。

 岩屋毅防衛相は記者会見で「米国のアジア太平洋地域へのコミットメント(関与)、即応態勢整備の観点から日本の防衛に資する」と横田配備の意義を強調した。

 しかし、オスプレイは、その特殊な機体構造から、開発段階から実戦配備後まで墜落事故を繰り返し、安全性への懸念が度々指摘されてきた軍用機だ。

 沖縄県の普天間飛行場に配備されたMV22も空中給油訓練中にプロペラが破損して海岸に不時着、大破したり、海外遠征訓練中に海上に着水する事故を起こした。

 安全性への懸念は、機体の特性だけにとどまらない。

 特殊部隊を運んで敵地に潜入させる作戦を主な任務とするCV22は、夜間や低空での運用が多く、十万飛行時間当たりの重大事故率はMV22を上回る。

 政府は、事故の危険性が指摘される飛行方法を米軍施設上空に限定したり、夜間や人口密集地上空の飛行を避けるという日米合意を順守するとして安全性を強調するが、沖縄では合意に反する事例が頻発している。横田でも合意破りが起きないとも限らない。

 東京都と基地周辺六市町による連絡協議会は九月、「基地周辺住民の不安は解消されたとは言えない」として、地元自治体からの要請に真摯に対応するよう外務、防衛両省と米軍に要請した。日米両政府はこうした懸念をどこまで受け止めたというのか。

 CV22の訓練は横田周辺にとどまらず、長野、群馬、新潟各県の上空に設定された空域や、訓練場のある青森、静岡両県にも及ぶ。もはやオスプレイの配備は、基地周辺住民だけでなく、日本国民全体が考えるべき問題である。

 

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