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【私説・論説室から】

ジャンヌ・ダルクの矛先は

 無党派層の「山を動かし」、既存政党を蹴散らして都知事選に圧勝した小池百合子さん。二百九十一万票の負託にこたえ、前任者らとは違い職責を全うするよう願うばかりだ。

 お母さまがカイロに開いた日本料理店を訪れた経験はあるが、肝心の小池さんの仕事ぶりで頭に残っていることはあまりない。

 防衛相時代、悪名高き防衛事務次官の更迭問題もあり、在任期間はわずか五十五日だったことや、環境相では「クールビズ」という、当時はピンとこなかったビジネス着の軽装化に旗を振ったことぐらいだ。むしろ改憲を志向する右派組織「日本会議」の国会議員懇談会に所属し、「日本の核武装について検討の余地あり」との考えを持つと伝えられるなど「危うい人物」のイメージを抱いてきた。

 知事選で自ら名乗った「日本のジャンヌ・ダルク」は、一人で勇猛に闘いを挑む女性を例えたのだろうが、以前のタカ派知事のように矛先を間違えることがあっては困る。

 それでも激しく同意する政策がある。知事選公約に掲げた「都道の無電柱化」、電柱や電線の撤去である。無粋な電柱群や電線は景観を台無しにし、通行の安全を脅かし、地震時の被害を拡大する。欧米はもちろん中国、韓国でも着実に進むのに東京二十三区10%台(区道も含む道路延長ベース)だろう。財源や地権者との調整など困難は極めようが、真に都民のための闘いなら歓迎だ。 (久原穏)

 

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