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【私説・論説室から】

喫煙事情を比較すれば…

 日本で喫煙規制の動きが加速するなか、ここ数年は海外の喫煙事情を見て回っている。英国、スペイン、ドイツなどは原則として屋外での喫煙は許され、たばこを手にしたサラリーマンがビジネス街を往来する。メインストリートは五十メートルおきくらいに灰皿が設置されていることが多いため、ポイ捨てはそれほど目立たない。

 飲食店は屋内禁煙だが、テラス席のテーブルには最初から灰皿が置かれていたりする。屋外の席がないロンドンのパブなどは出入り口の外に吸い殻が散乱し、かなり汚い。駅も空が見えるホームなら基本的に喫煙可能。屋外での規制が厳しい日本とはかなり異なる。

 日本の車いすバスケットボールの選手から、このように言われたことがある。

 「東京の街中でたばこを吸おうと思うと喫煙所が繁華街から離れていたり、段差があったりで不便。オフィスの喫煙所も入り口が狭く、車いすでは入れないことがある」

 私はたばこが受動喫煙も含めて健康に良くないと考える。ただ、心の安らぎを保つよりどころとする人が多いことも理解しているつもりだ。喫煙所の整備などが不足したまま飲食店にも及ぶ規制を強化することは、喫煙者の喫煙機会を過剰なまでに奪ってしまわないか。有害成分が少ないとされる電子たばこの検証も含め、立ち止まりながら考えてもいい問題ではないかと思う。 (鈴木遍理)

 

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