東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 私説・論説室から > 記事

ここから本文

【私説・論説室から】

政治感覚のまっとうさ

 閣僚の一人として内閣の方針に従うのは当然だが、政治家としての思いを封じ込めるのもまた、心苦しいものだろう。沖縄北方担当相として初入閣した江崎鉄磨氏(73)である。

 就任早々、その言動が物議を醸した。入閣要請を当初、高齢を理由に断り、所属する派閥の会長でもある二階俊博幹事長からたしなめられたと思ったら、記者団に「答弁書を朗読」すると語ったり、担当する北方領土問題について「素人は素人」と述べたり。

 閣僚としての資質を疑問視する野党側からは早くも辞任要求される始末だが、この際、江崎氏の「政治感覚」にあえて注目したい。

 例えば、在日米軍の特権的な地位などを定めた日米地位協定。江崎氏は「もう少し見直さないと」と述べた。安倍内閣は協定の「改定」までは求めておらず、発言は閣内不一致と指摘され、江崎氏もその後、トーンダウンしたが、発言内容自体は間違っていない。

 閣僚就任前だが、江崎氏は昨年十二月、衆院本会議での「カジノ解禁法案」採決で、賛成という党の方針に反して退席し、本紙の取材に「反対」を明言している。

 江崎氏の素直な言動からうかがえるのは保守政治家としてのまっとうな政治感覚だ。今の政治の問題点は、それが生かされないことであろう。内閣が間違った方向に進むのなら正すのも大臣の役割だ。閣内でも萎縮せず、まっとうさを発揮してほしい。 (豊田洋一)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by