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【私説・論説室から】

名刺を複数持つ生き方

 NPO法人「キャリア権推進ネットワーク」の吉田修さんとお会いした際、名刺を三枚もらった。一枚は本業の団体職員の、二枚目はこのNPOの、そして三枚目は趣味の双六(すごろく)に関する資料館長の名刺だ。

 複数の名刺を持つ意義を「二足、三足のわらじを履くと仕事観、人生観が増える。技能も得られ、なにより人脈が広がる」と話す。

 将来、人工知能(AI)の発達で今ある職種でも代替されるものがでてくる。逆に新しい職種も生まれる。職種の“新陳代謝”が激しくなるなかで、企業の寿命も縮まるといわれる。一つの会社で定年まで働くだけでなく、どこにも雇われずフリーランスで働く人や、出勤せず自宅が職場になる人も増える。

 会社員の働き方も変わらざるを得ない。十一月二十三日付社説でも紹介したが、「キャリア権」という考え方が新しい働き方の基盤になると注目している。諏訪康雄・法政大名誉教授が提唱している。一口で言うと「会社任せにせず、希望する仕事を自ら選び、仕事を通じて幸福になる権利」だ。

 ただし、主体的にキャリアを積み上げるには覚悟が要る。ある調査では、能力を最大に発揮する年齢は四三・四歳。職種が次々と入れ替わる社会では知識もすぐに陳腐化する。だから自ら絶えず学び直す必要がある。そのひとつの方法が複数の名刺を持つことと、吉田さんは勧める。 (鈴木穣)

 

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