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【私説・論説室から】

首都に新設された弾薬庫

 陸上自衛隊のミサイル部隊配備が計画されている沖縄県宮古島市で、住民の間で新たに建設される予定の弾薬庫への不安が高まっている。集落との距離は二百メートルと近く、「万一の場合、安全を確保できるのか」と問うても防衛省の説明はあいまいだというのだ。

 この話で思い出した。東京にできた弾薬庫のことである。一昨年八月、当時の稲田朋美防衛相は北朝鮮の弾道ミサイル落下に備え、自衛隊に破壊措置命令を出した。これを受け、防衛省のグラウンドに地対空迎撃ミサイル「PAC3」が二基並べて置かれた。

 命令は出たままとなり、防衛省はPAC3を運用するための高射隊分遣班を昨年三月、省内の敷地に発足させ、同時に弾薬庫を新設した。防衛省があるのは都心の新宿区である。ここに弾薬庫が造られた事実を知る住民はどれほどいるだろうか。

 防衛省に弾薬庫の詳細について聴いた。「弾薬の保有量や種類は事柄の性質上、回答を控える」とのことで、宮古島市の住民への説明と変わりなかった。新宿区役所には「ミサイル保管庫」と説明しているのでPAC3弾が備蓄されているのだろう。

 住民の不安をあおるのが本稿の趣旨ではない。首都の真ん中に弾薬庫を置かなければならないほど危機が迫っているのだとすれば、その危機と対応策について政府の説明がないのはなぜなのか。 (半田滋)

 

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