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【私説・論説室から】

東方政策ヒントにしては

 米軍基地の大幅な特権を認めた地位協定など、従属的な面も顕著な日米関係。トランプ大統領の登場で、合意をひっくり返されるリスクも高まる。米国依存からの脱却を進めていくことも必要だろう。

 その方策を考えるための先例として、ドイツの週刊誌「シュピーゲル」アジア特派員のウィーラント・ワーグナーさんは、西ドイツの「東方政策」を挙げた。滞在十五年の日本通。離任会見も流ちょうな日本語だった。

 東方政策は、冷戦時、一九七〇年代のブラント政権時代、ソ連、東欧との和解を図り、東ドイツとの条約では互いに国家として認め合い、関係を正常化した。ワルシャワのユダヤ人慰霊碑前でひざまずいたブラント首相の姿は、西独の国際的イメージも高めた。

 まだ、米ソが激しく対立する中、米国はじめ西側諸国の了解も取り付けながら、安全保障として武力行使の放棄を選んだ。後のドイツ統一の下地を作ったともいえる。

 日本も地域の緊張を緩和し「米国リスク」を減らして、米軍基地による負担軽減などにもつなげていけないか。「もっと堂々と米国に発言したほうがいい。米国にもいろいろな勢力があり、ロビー活動はできる」。ワーグナーさんはアドバイスする。

 来年は二十カ国・地域(G20)首脳会合の議長国。さまざまなチャンネルで、各国と絆を深めるチャンスでもある。 (熊倉逸男)

 

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