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【私説・論説室から】

懐かしのルノー4CV

 経済部時代の大先輩からメールで古い写真が送られてきた。

 そこには一九五〇年代半ばの秋葉原駅付近を走るルノー4CVが写っていた。「高校生のころ、都電の末広町停留所から撮影した」という。

 小型乗用車で、戦後のフランスでは性能のいい国民車として人気があった。国内では五三年から六三年まで日野自動車が生産。日野・ルノー4CVとも呼ばれていた。

 写真を見て叔父が中古で手に入れた同型車を思い出した。小学生時代に乗せてもらい、「外車だぜ」とはしゃいだ記憶がある。だが、実際は、日野が海外の先進技術を学びながら自前で生産した車だったのだ。

 国内メーカーの古い友人ともいえるルノーが今、困っている。労働者たちは雇用不安を抱えたまま新しい年を迎えただろう。

 自動車産業は大変革の渦中にある。近い将来ガソリン車は激減し電気自動車が主流となるはずだ。自動運転も当たり前になる。不安なのは国内の生産現場で働く人々も同じだ。

 先輩のメールには「ルノーには昔、日本の車業界が世話になった。恩を忘れてはいけない」と添えられていた。

 日産自動車とルノーが主導権争いを続けている。日産が相手を重荷と考えるなら、それは驕(おご)りだ。恩を忘れず共存を模索する。これがビジネスの王道と思うが…。 (富田光)

 

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