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【私説・論説室から】

落語から学ぶべきもの

 議員にとって「落ち」は避けたいところだが、それを超える魅力があるのだろう。

 小泉進次郎衆院議員ら自民党有志が「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会」(落語議員連盟)を設立した。昨年十二月、東京・上野の鈴本演芸場で開かれた第一回実演鑑賞会には共産党や無所属の議員も顔を見せたという。

 落語と政治家の結び付きは昔からある。例えば吉田茂元首相だ。孫の麻生太郎財務相は自著に、小学生当時、首相に専用車で鈴本演芸場に連れて行かれ、六代目春風亭柳橋の落語を聞いた思い出話を記している。

 亡くなった立川談志家元は参院選全国区に出馬して五十人中最下位という「トリ」で当選。三木内閣の沖縄開発政務次官に起用されたが、二日酔いで臨んだ記者会見で「公務と酒とどちらが大切なんだ」と聞かれて「酒に決まってんだろ」。在任三十六日で辞めた。

 議連発起人の呼び掛け文には「人々の政治への思いや率直な感情から遠ざかりがちであることを自戒しなければならない」とある。

 自分も落語好きで、しばしば寄席に出掛ける。時にまくらで辛辣(しんらつ)な政治批判も飛び出すが、それを笑い飛ばすのも心地よい。

 「落語とは、人間の業の肯定である」と言ったのは談志だ。政治家も寄席に足を運んだり、噺(はなし)に耳を傾けたりして人々の生きざまを感じ取ってほしい。政治批判にいちいち腹を立てる野暮(やぼ)はよしにして。 (豊田洋一)

 

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