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新国立競技場見直し案 景観へ影響変わらず

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 二〇二〇年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の建設計画を審議する日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議は二十六日、延べ床面積を二十九万平方メートルから二割余り減らす見直し案を承認した。しかし依然として五輪史上最大の二十二万五千平方メートルもの特大サイズで、明治神宮外苑の景観への影響は避けられそうになく、問題は残されたままだ。 (森本智之)

 見直し案は、VIP席やスポーツ博物館など付帯設備を中心に縮小を図ったが、どれも全面カットせずに機能を残した。計画に異議を唱えている建築家の槇文彦さんは、こうした付帯設備が肥大化を招いていると指摘したが「五輪招致の際の公約だった」「収益上必要な施設」とする意見が多数派を占めた。

 槇さんらは、前回ロンドン五輪の時のように観客席を一部仮設とすることも求めたが、「コストの削減効果が見込めない」「日本には八万人規模の施設がなく、複数あるロンドンとは事情が異なる」として見送った。

 今回、JSCは初めて完成時の景観イメージ図を公表。競技場の立地面積を縮小したものの、高さは最大約七十メートルで変更はなく、巨大ドームの出現で景観が損なわれることが明らかになった。

 JSCの河野一郎理事長は「かなりコンパクト化を図った。巨大すぎるとは考えていないし、神宮の森にもふさわしいデザインだと思う」と主張した。

 五輪史上初の開閉式屋根もコスト増の原因とされたが、「コンサートなどの文化事業の際には必須」などの意見が相次ぎ、設置の方向が固まった。

 その結果、事業費は削減されたものの、本体工事費は予定の千三百億円より百億円以上高い千四百十三億円、総工費は千七百八十五億円に達した。

 承認された見直し案について、槇さんらと計画に反対してきた千葉工大の古市徹雄教授は「苦し紛れに面積をカットしただけで本質的な問題は何も解決されていない」と指摘。巨額とみられるメンテナンス費用も公表されないなど「必要な情報が不足し、都合の良い説明に終始している」と批判している。

 

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