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【経済Q&A】

米TPA法案 なぜ必要? TPP早期妥結、後押し

 TPP交渉をめぐり、早期妥結を目指す米議会の超党派議員が十六日、大統領に通商交渉の権限を一任する「大統領貿易促進権限(Trade Promotion Authority=TPA)」法案を上下両院に提出した。なぜ、TPAが早期妥結に必要なのか。TPAは成立するのか。 (ワシントン・斉場保伸)

 Q どういう権限か。

 A 米国では議会が通商に関する強い権限を握っている。政府が外国と貿易に関するルールなどを決めた場合、日本などは議会が協定全体をまとめて採択し発効する。だが、米議会は個別の条文ごとに、政府の決めたことに細かい修正を求めることができる。修正した場合、政府は相手国との再交渉が必要になる。より早くまとめるためには、権限を一任するTPAが大統領や政府に重要になる。

 Q TPPの他交渉国はTPAに注目しているのか。

 A とても重視している。日本のある交渉担当者は「TPP参加の十二カ国は、米議会がTPAを認めなければ誰も協定案に署名しない」と断言するほど。米政府と交渉してルールをつくっても、米議会にひっくり返される可能性が消えないからだ。米政府の説明が本当にルールになるのか、疑心暗鬼になっている。

 Q 米国は過去にもTPAがあったのか。

 A 一九七四年に成立したTPAで、メキシコ、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)を結んだ。この時のTPAは九四年に失効したが、二〇〇二年に新たなTPAが成立した。でもこの時の下院では賛成二一五、反対二一二とわずか三票差での成立だった。これも〇七年に失効している。

 Q 今回、成立できるのか。

 A 簡単ではない。今回の法案は、TPPが秘密交渉だとの議会の批判に配慮して、大統領は合意署名の六十日前に条文全文をインターネットに掲載するよう義務付けた。TPPで不利益を受ける人への支援政策を並行して法整備することで、多くの議員の賛成が得られるようにした。

 それでも与党・民主党は、TPPに強硬に反対する労組が支持基盤で、地元の有権者を考え簡単に賛成できない議員は多い。一方、自由貿易を旗印にする野党の共和党も「批判すべき相手の大統領に権限を与えた」と、有権者の批判を受けることをおそれている。日本のような党議拘束がない米議会では、賛否は各議員の判断だ。法案が成立しなければ、TPP交渉は漂流が避けられない。

 

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