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【経済Q&A】

シャープ経営危機 根本原因は? 競争激化、主力の液晶不調

大阪市のシャープ本社

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 テレビ事業の不振などで二〇一二年に経営難に陥ったシャープが再び危機に直面している。液晶パネルや太陽電池事業が苦戦し、一五年三月期の純損益は二年ぶりに赤字に転落する見通しだ。再建に向けて大規模なリストラを実行する方針だが、本当に再建できるのか。経営不振の根本的な原因は何か。 (伊藤弘喜)

 Q シャープの経営はなぜ苦しいの。

 A 売上高の約三分の一を占める液晶事業が不調なのが大きい。ここ二年ほど堅調だったスマートフォン向けの小型液晶パネルの価格が、中国で昨年ごろから下落しはじめて苦しくなった。タブレット端末向けの中型液晶パネルの需要も伸びていない。

 Q 復活の兆しがみえていたはずでは。

 A 近年はテレビや太陽電池事業の不振をスマホ向けの液晶事業で穴埋めしてきたが、この分野も不振に陥り苦しくなった。

 Q 急に業績が悪化したのはなぜ。

 A シャープは省エネに優れた液晶「IGZO(イグゾー)」や精細な液晶「LTPS」など業界屈指の液晶技術を築いてきた。だが中国などで多く売れるのは、高価格・高機能の製品より価格が安い製品。低価格で売り込む国内外のメーカーに追い上げられている。追加の投資で、また新しい技術を構築したいところだが、過去の経営危機の影響で資金面の余裕もない。

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 Q 液晶以外の事業はどうなの。

 A 液晶に次ぐ規模の太陽電池事業も、政府が太陽光発電の買い取り価格を下げる制度変更を実施して需要が細り、採算が悪化した。海外メーカーとの競争も激しい。

 Q 支援を名乗り出る同業の企業はないの。

 A 一二年に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携、大型液晶画面を製造する工場の共同運営で合意した。ただ当時、約10%を出資する鴻海の提案をシャープは拒否した。鴻海は今も出資に乗り気のようだが、シャープは「そういった話(出資の提案)はない」と説明している。

 Q では自力で頑張るということ?

 A 液晶事業の運営を効率化し投資をしやすくするため、スマホ向けの中小型液晶を生産する亀山工場(三重県亀山市)を分社化する案が出ている。テレビを生産している栃木工場を閉鎖し八尾工場(大阪府八尾市)へ集約する案もある。これらは五月に発表する中期経営計画に盛り込まれる可能性がありそうだ。

 Q それによって経営再建は果たせるの。

 A SBI証券のアナリストの藤本誠之(のぶゆき)さんは「人やカネを過大に集中させてきた液晶事業が後続企業に追いつかれつつある。新たに売れるモノが出てこないと厳しい」と話している。

 

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