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【経済Q&A】

蛍光灯の製造規制へ LED化促進、課題は

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 政府は二十六日、蛍光灯の省エネルギー性能に関する基準について、厳格化することを決めた。蛍光灯や白熱灯の製造・輸入は、実質的に不可能になる。消費電力が小さい発光ダイオード(LED)照明への切り替えを促進し、二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。二〇一六年度中に経済産業省の有識者会議で詳細を決める予定だ。

 政府は、自動車や家電などの品目ごとに、最もエネルギー消費効率が高い製品を基準に省エネ性能の目標を定める「トップランナー制度」を導入している。従来は蛍光灯とLEDを区別して企業側に達成を求めていたが、今後は白熱灯も含めて「照明」に一本化する。これにより、最も高性能なLED以外の製造・輸入はできなくなる。

 経産省によると、LED照明の普及率は一二年度時点で9%にとどまる。同省は三〇年度にLEDなど高性能照明の普及率をほぼ100%にする計画で基準厳格化で達成を後押しする。

 白熱灯や蛍光灯の代わりにLEDの照明を増やそうと、政府は来年度にも制度改正する方向だ。寿命や省エネに優れる一方、割高なLEDは政府の狙い通り普及するのか。現状と課題をまとめた。 (伊藤弘喜)

 Q LEDとは何か。

 A Light Emitting Diodeという英単語の頭文字を取っていて、「光る半導体」を意味する。昨年、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏ら三人の日本人研究者が青色のLEDを開発したことで白色の光を出すことが可能になり、照明器具に使われるようになった。

 Q LED照明の特徴は。

 A 家庭用のLED電球であれば十年以上使えるほど耐用年数が長く、消費電力も白熱灯の八分の一程度と少ない。家庭では電力消費量のうち照明器具は13%を占め、エアコンや冷蔵庫に次ぐ大きさだ。CO2を減らすためには照明の省エネ化が重要で、LEDへの期待は大きい。ただ、普及率は9%にとどまっている。

 Q 普及が遅れているのはなぜ。

 A 店頭での価格が割高なため、消費者は安い白熱電球や電球型蛍光灯に手が伸びがちだ。同じ明るさで比べると、LED電球は白熱電球の十倍以上高い。電気代や交換頻度を考えれば、LEDの方が割安になるのだが、まだあまり知られていない。

 Q 今後の課題は。

 A 経済産業省は二〇三〇年度にLEDの普及率をほぼ100%にする計画だが、まずは価格を下げることが普及促進の前提となる。さらに現在、家庭やオフィスの蛍光灯などの照明器具はLED照明がそのまま取り付けられないため、器具ごと買い替える必要が出てくる。それを家庭や会社が負担するのは大きなハードルとなるだろう。

 市場調査会社「GfKジャパン」の秋元穣和アナリストは「長期的に考えないとLEDの魅力を見いだしにくい。消費者にどう価値を訴えていくかが課題だ」と話している。

 

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