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【経済Q&A】

租税回避地なぜ存在? 法人税など減免、国外資金を狙う

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 「パナマ文書」によって多くの企業や資産家などがタックスヘイブンを利用している実態が明らかになった。タックスヘイブンとは何か。課税逃れはどのように行われているのか。 (白山泉)

 Q タックスヘイブンって何。

 A 法人税などを無税にしたり、税率を低く抑えたりしている国・地域だ。経済協力開発機構(OECD)は二〇〇〇年に三十五の国・地域をタックスヘイブンとみなした。その後、対象とされた国・地域が異議を唱えたため、現在は公的な統計はないが、パナマは氷山の一角にすぎない。

 カリブ海の英領バージン諸島、ケイマン諸島のほか、税優遇制度の手厚いオランダや米デラウェア州などをタックスヘイブンと数える考え方もある。これらの国・地域は企業情報の保護などを理由に外国の税務当局への情報提供を拒むため、資金が集まってくる。

 タックスヘイブンには経済を支える基幹産業に乏しい国・地域が多い。大半は富裕層の移住や企業の進出による雇用増、手数料などを期待し、法人税を減免している。

 Q 企業はどうやってタックスヘイブンを利用しているの。

 A 国境を越えて事業をする大企業などは、タックスヘイブンに子会社などを設立して利益を稼ぎ出せば、本国で事業をするより納める税金を抑えられる。米グーグルやスターバックスがこうした課税逃れの仕組みを利用して批判された。

 Q どんな弊害が考えられるの。

 A 例えば企業がタックスヘイブンの複数のペーパーカンパニーを経由して売り上げなどを計上すると、実際のお金の流れが追いにくい。横浜市立大の上村雄彦(たけひこ)教授(国際政治学)は「タックスヘイブンにある金融資産は世界で二千兆〜三千五百兆円との試算もある。しっかり課税すれば年二十一兆〜三十一兆円の税収が確保できる」と話す。

 Q 国内外でどんな対策が取られているの。

 A OECDは一七年から、先進諸国と協定を結んだタックスヘイブンが金融口座の残高などを先進諸国の税務当局に自動的に送付する仕組みを導入する。日本では一四年に海外に五千万円を超える資産がある国内居住者に対し、資産内容の報告を義務付ける「国外財産調書制度」を開始した。

 

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