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【経済Q&A】

日銀初「指し値オペ」 米国発の金利上昇けん制狙う

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 米国や日本で金利が上昇する中、日銀が17日、固定価格で国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」に初めて踏み切った。聞き慣れない「指し値オペ」の仕組みや狙いを整理した。 (渥美龍太)

 Q 指し値オペって何?

 A 日銀は現在の金融緩和政策で日常的に入札で国債の買い入れをしていて、通常なら買い入れ量を公表して価格の低いものから順番に買っている。指し値オペの場合は、あらかじめ買う国債の価格を指定しておき、その水準で売りたい人がいれば無制限に買うんだ。この制度は九月に導入し今回が初の実施だった。

 Q なぜそんなことをする必要があるの?

 A 金利を下げるためだよ。ポイントは十年物国債の金利が、世の中の長期金利の目安になっていることなんだ。国債の価格が上がれば世の中の金利が下がり、逆ならば金利が上がる仕組みになっている。日銀が国債を買えば、買い手が増えて国債価格が上がるから金利は下がる。最近は金利が急激に上がっていたから、日銀は抑え込もうとしたんだ。

 Q なぜ、金利が急に上がっていたの?

 A 米大統領選でトランプ氏が当選した影響と言われている。彼は財政を拡大して公共投資などを増やす政策を掲げているから、短期的には米国の景気を押し上げるとの期待が広がった。投資家は元本保証の国債を売り、値上がりが見込める株式などに資金を振り向けたとみられているんだ。国債を売るから金利が上がるわけだ。

 米国債の金利が上がれば、相対的に日本国債の商品としての魅力が薄れて売却の動きが出るため、日本の金利も上がっていたんだ。十六日には十年物国債の金利が一時0・035%まで上昇し、約九カ月ぶりの高水準になっていた。

 Q 十七日のオペはうまくいったのかな。

 A 日銀の指定した国債価格が低かったので、売りたいという金融機関が出なかった。それでも金利は低下したよ。日銀が「今の水準よりも金利を上げない」という意志を示したことに、市場が反応したんだ。十七日のオペは実際の取引が成立しなくても、けん制にはなったわけだ。

 

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