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【経済Q&A】

金融緩和の「出口」シナリオは? 日銀総裁「公表を検討」

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は十日、国会に出席し、現在の大規模金融緩和をどのように終えていくかを指す「出口戦略」について、考えられるシナリオの公表を「今後検討していく」と話しました。これまでは議論すること自体を「時期尚早」と繰り返していましたが、この姿勢について自民党をはじめ批判が相次いでいました。黒田氏が神経をとがらせる「出口」はどんな意味を持っているのでしょうか。 (渥美龍太)

 Q 金融緩和の出口とは何でしょうか。

 A 金融緩和は金利を低く抑えて、世の中のカネ回りを良くしようとする政策で、景気が良くなって金利を上げていく局面を出口と呼びます。

 Q 黒田総裁は、なぜ神経を使っているのですか。

 A ポイントは今の金融緩和のやり方にあります。日銀は民間銀行が持つ国債を買い、お金を支払っています。民間銀行はお金を受け取っても借り手が少なかったり、損をしにくい使い道が少ないので、多くを「当座預金」と呼ばれる日銀の口座に預けてきました。日銀は当座預金に預けたお金に、国債の利子を使って0・1%の利子を払っています。出口にきたときに日銀は「当座預金の利率を上げる」ことで、世の中の金利上昇につなげるとみられています。それが問題になってくるのです。

 Q どういうことですか。

 A 国債の利率はゼロに近くなっています。日銀が支払う利子が増えた時に赤字になりそうなのです。それを日銀は国民に丁寧に伝えてきませんでした。ところが、民間識者が出口に進んだ場合に赤字が数十兆円にのぼるなどの試算を公表し問題になったのです。国の会計検査院は「将来に備え、引当金の積み立てを」と異例の指摘をしました。金融緩和をしてきた米国は利上げに進み、欧州も出口を模索しています。

 Q 日銀の赤字は国民に影響するのですか。

 A 赤字を穴埋めするために、税金が使われる可能性があります。先月、税金の無駄遣いを調べる自民党の行政改革推進本部が、日銀に出口の説明を求めたのもそういう理由です。米国は、早いうちから金融緩和に伴う収支を公表していました。「丁寧に説明する姿勢が日銀とは全く違う」(日本総研の河村小百合氏)との指摘も出ています。

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