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【経済Q&A】

富士通なぜ携帯事業売却 国内頼み スマホ出遅れ

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 富士通が携帯電話の開発・製造事業を売却する方針を固めました。これにより二〇〇〇年代初めに約十社あった国内の携帯電話メーカーはソニー、シャープ、京セラの三社だけになる見通しです。なぜ日本勢は苦戦を強いられているのでしょうか。 (妹尾聡太)

 Q 富士通のスマホは人気がないのですか。

 A 富士通は主にNTTドコモ向けに「アローズ」シリーズなどを手掛けていますが、年間出荷台数は一一年度の八百万台をピークに減少。一六年度は三百二十万台まで落ち込み、同じく不振のパソコンや半導体事業とともに一五年から他社との提携や売却を検討していました。今後に関し富士通は「人工知能(AI)などの技術を活用した企業向けITサービスに力を入れる」との方針を示しています。

 Q 富士通以外の国内メーカーも携帯事業でつまずいたのはなぜですか。

 A 一つは拡大するスマホ需要を取り逃がし、iPhone(アイフォーン)で知られる米アップル、韓国サムスン電子、中国の華為技術(ファーウェイ)などの躍進を国内外で許したことです。

 調査会社のMM総研によると、一六年度の日本国内の携帯電話シェアはアップルが四割超を占めます。国内勢は「ワンセグ」や「赤外線通信」など日本独特の機能が豊富ないわゆる「ガラパゴス携帯(ガラケー)」に注力していたため、スマホで出遅れたという側面があります。

 Q 海外には目を向けなかったのですか。

 A 国内メーカーはNTTドコモなどの通信会社と携帯電話を共同開発し、通信会社の販売網に頼っていました。しかし一三年にNTTドコモがソニーとサムスンを優遇する「ツートップ」の販売戦略を採るなど通信会社頼みの構図が崩れました。国内勢は体力を失い統合や撤退を繰り返すことになりました。

 Q 国産スマホに将来はありますか。

 A 海外勢の規模は大きく、米調査会社のIDCによると、一六年のスマホ世界出荷台数は首位がサムスン(三億九百万台)で、二位がアップル(二億一千五百万台)でした。日本勢では一六年度のソニーの出荷台数が千四百六十万台でしたが、アップルの7%程度の規模にとどまりました。低いシェアでも、特色ある商品を出せるかが今後の焦点になりそうです。

 

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