東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 経済Q&A > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済Q&A】

北のミサイル・核「有事」なぜ円高に 「他より安全」買い戻し

写真

 北朝鮮の核実験を受け、4日の外国為替市場では一時、先週末より1円程度円高ドル安が進みました(午後5時現在は、前週末比70銭円高の1ドル=109円47〜49銭)。8月29日に北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した時にも円高が進行。日本が脅威にさらされているにもかかわらず、なぜ「有事の円買い」が起きるのでしょうか。 (木村留美)

 Q なぜ円を買う動きが広がっているのですか。

 A 投資家は金融危機や紛争など有事の時に、リスクの高い通貨や新興国の金融商品などを売って、手元に動かしやすい現金を残そうとします。例えば日本の投資家らは、普段は金利の低い円を売って、金利の高い通貨を買うことなどで利益を得ようとしています。ところが有事になると円を買い戻す動きに転換します。二〇一一年の東日本大震災でも、直後に一ドル=七六円台まで円高が進みました。

 さらに最近では「有事=円買い」という発想が投資家の間で定着してしまっています。何かが起きると日本への影響の判断とは別に、条件反射的に円買いに動く流れもあります。

 Q 北朝鮮と地理的に近い日本の円が安全な資産なのでしょうか。

 A あくまでも他の通貨との比較になりますが、円は流通量が多く、有事になっても売買が停止することはないと考えられています。加えて、日本の政府や企業・個人が海外に持つ資産も多く、「お金持ち」の国だと思われているので、円の価値は下がりにくく「他よりは安全」とみなされているわけです。

 Q 「有事のドル買い」はなくなったのですか。

 A 〇一年の米中枢同時テロが大きな転機となりました。米本土も報復テロの対象になる可能性が高まったことなどから、以前のようにドルは安全資産と言われなくなりました。最近では有事が意識されると、円以外にもスイス・フランや金、仮想通貨「ビットコイン」が買われやすくなっています。

 Q 日本が有事に巻き込まれても、円買いは続くのでしょうか。

 A 市場関係者からは「日本経済が甚大な被害を受ける事態になれば円売りに転じ、急速に円安が進む可能性がある」とみる声が出ています。ただ、市場は現時点では軍事衝突が起き、円の価値が下がるような事態になるとまでは想定していないため「有事の円買い」の流れが続きそうです。

 

この記事を印刷する

PR情報



ピックアップ
Recommended by