東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 経済Q&A > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済Q&A】

税?保険?国債? 教育無償化、財源は 幼児〜大学で年5兆円

写真

 政府の「人づくり革命」の具体策を検討する有識者会合の議論が11日、始まりました。議論の中心は、無償化も含めた教育への負担軽減策で、仮に幼児教育と、大学など高等教育の授業料をすべて無料にすると国の年間税収(2016年度約55兆円)の1割近い約5兆円がかかります。最大の課題となる財源について整理してみました。 (桐山純平)

 Q 教育無償化の対象を教えてください。

 A 就学前に通う幼稚園や保育園に通う園児が対象です。未就学児への教育は効果が高いとされているのが理由です。また、家庭の所得を理由に進学を断念することを減らすため、大学や短期大学の授業料の負担を軽減する策も同時に検討されます。大学授業料の負担軽減策は安倍政権の支持率が低迷してから浮上してきました。

 Q どれくらいのお金が必要なのですか。

 A 無償化の範囲や方法によって変わります。幼児では〇歳から無償化にすれば約一・二兆円で、三〜五歳に対象を絞っても七千億円以上かかると政府は試算します。大学や専門学校の授業料をすべて無料にすれば、三・七兆円がさらに必要になる計算です。

 Q 無償化のためにどんな財源が検討にあがっていますか。

 A 税金で賄うなら増税も必要になる可能性がありますが、増税には国民の抵抗感が強いとみられます。自民党の小泉進次郎氏ら若手議員が提案した「こども保険」のように、厚生年金などに保険料を上乗せする案も上がっています。しかし、保険方式では負担が現役世代に限られ、裕福な高齢者が負担を免れるので不公平感も残ります。

 大学の無償化の財源としては「教育国債」も浮上していますが、負担を未来の子どもたちに押しつけるので、自民党内ですら反対の声が大きいです。

 Q 財源以外に、無償化の課題はありますか。

 A 無償化の範囲も大切です。例えば、高所得者世帯まですべて無償化にすれば、お金持ちの家庭では塾などの習いごとにお金がさらに回り、「教育格差」がかえって広がりかねません。教育の質の低い大学でも学生が集まりやすくなるのでさらに質が低下する懸念もあります。

 

この記事を印刷する

PR情報