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【経済Q&A】

「トクサイ」不正の温床 メーカー、長年の商慣行

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 神戸製鋼所や三菱マテリアル、東レなど産業用の「素材」を扱うメーカーで不正が相次いでいます。不正の温床となっているのは、長く続けられてきた素材メーカー特有の商慣行です。業界のルールをまとめました。 (木村留美)

 Q 素材メーカー特有の商慣行とはどのようなものですか。

 A 素材メーカーには、製品製造の過程で一定の割合でできてしまう「不合格品」を、取引先の了解を得た上で引き取ってもらう「特別採用」「トクサイ」と呼ばれる慣行があります。不合格品といっても、もともと水準に余裕を持たせているため、使用は可能とのことです。通常より価格を値引きして納入するケースが一般的で、購入する側にとっては製品を安く買うことができる上、合格品がそろうまで待つ必要がないという利点があります。

 Q 東レの子会社の場合、「タイヤコード」という製品でどのような不正が行われていたのですか。

 A タイヤコードとは自動車などのタイヤの形状を保持するために使われる、ポリエステルやレーヨンなどでつくられた繊維補強材です。タイヤ内部に巻き付けられており、自動車の乗り心地に影響します。今回の不正は、強度などが規格から外れている製品について、過去の事例などから「このぐらいは大丈夫だろう」と勝手に判断。取引先の了承をとらず規格内に収まっているかのように検査データを改ざんしました。東レ側は「僅差のため」と安全上の問題はないと強調しています。

 Q なぜ勝手にトクサイ扱いにしたのですか。

 A 一連の不正で各社は、「取引先の了承をとる手間を省きたかった」などと動機を説明しています。しかし、アウトレット品(型落ち品)を正規品のように見せかけて高値で販売したことと同じで、悪質といえます。取引先との契約を軽視し、消費者に不安を与える姿勢は、日本の製造業への信頼感を失墜させかねません。

 

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