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【経済Q&A】

「親子上場」時代に逆行? ソフトバンク携帯子会社上場へ

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 上場企業のソフトバンクグループが、子会社の「ソフトバンク」の株式上場を検討しています。「親子上場」は欧米にない日本独特の慣行ともいわれます。親子上場にはどんな利点や問題点があるのでしょうか。 (桐山純平)

 Q 十五日の東京株式市場でソフトバンクグループ株の終値は前週末比3・22%高の九千二百二十三円と上昇しました。親子上場が評価されたのですか。

 A 子会社の株を上場して、株式市場でその株を売れば親会社のソフトバンクグループは経営に使う新たな資金を手にできます。これが評価されました。

 国内外で積極的な企業買収を続けてきたソフトバンクグループは銀行からの借り入れなどが膨らんでいます。負債は約十五兆円。財務は健全とはいえません。子会社株の売却で調達する金額は二兆円規模の見通しで、このお金で財務の悪化を防ぐことができます。

 Q 親子上場の利点は大きいのですね。

 A 子会社株の売却が容易になる親会社だけでなく、子会社自身も株式市場で自社の株を売り出せば、資金の調達がしやすくなります。ただ利点だけではありません。

 Q 問題点もあるのですね。

 A 上場しても子会社の筆頭株主は親会社のままで、他の株主の意見が経営に反映されにくい構造です。

 そのため、欧米で親子上場をしている企業は少ないのが実態です。東京証券取引所も親子上場に該当する場合、上場の審査を厳しくしています。

 Q 国内の親子上場はどの程度あるのですか。

 A 野村証券によると、親会社が上場企業であって、自社の株式も上場している子会社の数は二〇一六年度末で二百七十社ありました。

 これに対しては、自らの意見が「子会社の経営に反映されにくい」と考える外国人株主から批判があり、ピークの〇六年度末の四百十七社からは激減しています。ソフトバンクグループの親子上場の検討は時代に逆行しているともいえます。

 

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