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【経済Q&A】

円高の背景と影響は? 「米国第一」戦略に反応

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 米国高官の発言をきっかけに東京市場で一ドル=一〇八円台までドル安円高が進んだ。円高の背景と影響を探った。 (渥美龍太)

 Q 円高は日本経済にどんな影響を与えるのでしょう。

 A 自動車や電機メーカーは製品を輸出しドルを受け取っているので、円高ドル安が進めば、円換算の利益はその分目減りします。日銀の調べでは、大企業製造業が二〇一七年度下期に想定する為替レートは一ドル=一〇九円六六銭。二十五日の値(午後五時現在)は一〇九円〇二銭と五〇銭以上も上回る円高です。さらに進めば、始まったばかりの春闘の賃上げ交渉に影響しかねません。組合も強気の要求はしにくくなるでしょう。

 Q なぜ円高が進んだのですか。

 A ムニューシン米財務長官がダボス会議で「弱いドルはわれわれにとってよいこと」と発言したのが引き金です。通貨安は製造業の輸出採算を改善するため貿易を有利にできます。「自国第一主義」を掲げる米トランプ政権が自国産業を有利にするため「ドル安を求めだした」と、市場で受け止められました。

 Q ドル安発言の背景は。

 A 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩氏は「秋の中間選挙を意識した国内向けメッセージだろう」とみます。就任二年目に入ったトランプ大統領ですが、成果が乏しいといわれる中、中間選挙で与党の共和党が負ければさらに政権運営が厳しくなる。このため、ドル安を訴え産業界や労働者の支持拡大を狙う戦略に出始めたというのです。洗濯機や太陽電池を緊急輸入制限するなどの政策も決めています。

 Q 発言前から少し円高になっていたのでは。

 A 日銀の金融緩和がそろそろ縮小すると投資家が予測しだしたのが影響しています。金融緩和は金利を低く抑える政策で、縮小すれば金利が上がっていきます。金利が高い米国との差が縮まっていけば、円高が進みやすいのです。低い金利を続け過ぎたことで本業で稼げない銀行の経営も低迷しており、日銀はいつまでも現行規模の緩和を続けられないとの観測は根強い。黒田東彦(はるひこ)総裁は二十三日の記者会見で、緩和縮小の観測を否定しましたが、流れは収まっていません。

 

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